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相次ぐスキャンダル抱えて2020年へ-歴代最長の安倍政権に逆風

  • 世論調査では安倍政権の不支持率は1年ぶりに支持率上回る
  • 不祥事の続発は政権推進や悲願実現にも影落とす

安倍晋三政権は2012年の第2次政権発足から27日で8年目に入り、在任期間の史上最長記録を更新し続けている。歴代最長政権として政治的遺産(レガシー)を問われる段階に入っているが、今秋以降相次いだ数々の疑惑や不祥事を抱えたまま20年を迎えようとしている。

  朝日新聞が21、22両日に実施した世論調査では、安倍内閣の支持率は前月調査の44%から38%に低下、1年ぶりに不支持率(42%)が支持率を上回った。支持率が4割を切ったのは18年8月以来。次の自民党総裁にふさわしい人物として、安倍首相と距離を置く石破茂元幹事長が23%で首位に浮上、ポスト安倍候補の支持にも変化が表れている。

Japan's PM Shinzo Abe Speaks at The Liberal Democratic Party's Annual Convention

自民党の定期党大会で演説する安倍首相(2月・都内)

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  安倍政権の最近の主なスキャンダルと来年の見通しをまとめた。

1.桜を見る会

  政府が毎年4月、政財界関係者や芸能人らを招いて行ってきた「桜を見る会」について、安倍政権下で参加者数や支出額が肥大化したことを野党が税金の私物化だと批判。反社会勢力とされる人物の参加や、首相の後援会がホテルで開催した前夜祭の費用に関しても追及を受けた。

  安倍政権は、来年度の開催を中止し、招待者基準など全般的な見直しを行う方針を示している。ただ招待者の名簿を廃棄し、復元できないとする一連の政府の説明について、読売新聞とNNNの世論調査では、「納得していない」が75%と「している」の13%を大きく上回った。

  菅義偉官房長官の会見では連日、首相の招待枠などについての質問が相次ぐ。12日の会見では、今年の漢字にちなんだ質疑で「桜」という漢字への思いを問われ、「見たくも聞きたくもない」と答えた。

見通し:野党は来年も追及する構えだが、疑惑に対する決定的証拠などが出てこない限り、このスキャンダルでの最悪局面は既に峠を越えた公算が大きい。 

2.カジノ巡り国会議員逮捕

  カジノを含む統合型リゾート施設(IR)事業への参入に関心を寄せていた中国企業の役員らから賄賂を受け取った疑いで、東京地検は25日、内閣府と国交省の副大臣を務めた衆院議員の秋元司容疑者を逮捕した。現職国会議員の逮捕は約10年ぶり。

  政府は、来年1月のカジノ管理委員会の設置など、日本国内でのIR整備に向けて着実に進めて行くとの方針を変えていない。一方で野党は、カジノ利権の構造的問題として政府を追及する構えだ。IRを巡っては 大阪府・市、長崎県、和歌山県、横浜市が既に誘致を表明している。

見通し:政府はIR設置は、訪日外国人を30年に6000万人とする政府目標を達成する目的としているが、今後の検察の捜査次第ではIR事業全体に与える影響も無視できない。

3.閣内や企業の不祥事

  政治とカネを巡る問題で、菅原一秀経産相と河井克行法相が10月末に相次いで辞任した。両氏は週刊誌報道についての説明責任を果たすとしていたが、公の場に現れない状況が続いている。

Japan Post News Conference As Panel Finds Insurance Scandal Destroyed Trust

日本郵政・長門社長

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  かんぽ生命の保険の不適切販売を巡っては、日本郵政グループの社長3人が、27日にそろって辞任を表明するとJNNが報じている。一連の問題を受けた株価低迷などを受け、政府は今年度内にも予定していた政府保有の日本郵政株の売り出しを見送る方向だ。

  9月には、関西電力の役員らが原子力発電所が立地する自治体の元助役から金品を受け取っていた問題が発覚。政府の原子力発電所の再稼働政策の先行きにも影響を及ぼす事態となっている。

  安倍首相が「私の手で成し遂げたい」としている憲法改正について、産経新聞とFNNが17日に公表した世論調査では、改憲に「賛成」との回答は11月の調査より約10ポイント下落した。

見通し:首相の自民党総裁任期は21年9月までと2年を切ったが、最近の不祥事の続発は、政策推進や悲願の実現にも影を落としている。

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