コンテンツにスキップする

日銀総裁、緩和下での財政出動は景気刺激効果「より強力に」

更新日時
  • 世界経済は来年半ばにかけ緩やかに成長率高めるも、当面予断許さず
  • 東京五輪後の日本経済、過度に悲観的になる必要はない

日本銀行の黒田東彦総裁は26日、都内で開かれた経団連の会合で講演し、政府が今月決定した大型経済対策を踏まえ、日銀が金融緩和を推進している下での財政出動は「相乗効果によって、景気刺激効果はより強力になる」との見解を示した。

  総裁は、財政支出13兆円超の経済対策について、日銀が金融緩和を推進する下で「景気の拡大基調を維持するために大きな効果を持つ」と評価。こうした金融政策と財政政策の連携は「ポリシーミックスと呼ばれ、マクロ経済政策として標準的な考え方だ」と説明した。

  もっとも、「最近の議論の中には、ポリシーミックスを中央銀行による財政ファイナンスと混同しているものもみられる」とし、「金融政策と財政政策との連携を考える際には、それぞれの役割分担を明確にすることが重要」と指摘。政府と日銀による共同声明は「両者の役割を明確化した」とし、「極めて有効に機能している」と語った。

  総裁は、最大のリスク要因と位置付けている世界経済について、米中通商交渉の進展などを踏まえ、「来年半ばにかけて緩やかに成長率を高めていく」との見通しを示した。ただ、下振れリスクが引き続き大きいとし、「当面、予断を許さない状況が続く」との認識を示した。

  一方、日本経済は「外需の弱さにもかかわらず、内需が底堅さを維持している」とし、成長力を一段と高めていくためには「企業が新しい価値の創造や生産性の向上につながる前向きな投資を続けていくことが必要」と主張した。

  その上で、総裁は出席した経営者に対し、「成長力引き上げの主役は、やはり民間部門だ」と訴えるとともに、来年の東京五輪・パラリンピック後の日本経済について「過度に悲観的になる必要はない」と語った。

  日銀は18、19日の金融政策決定会合で、長短金利操作付き量的・質的緩和の枠組みによる政策運営方針の維持を賛成多数で決定した。その後の会見で黒田総裁は、海外経済面には若干明るい兆しがみられるものの、リスクは全体としてはなお高水準で警戒を要するとし、引き続き緩和方向を意識した政策運営が適当との考えを表明した。

(黒田日銀総裁の講演での発言を加えて更新しました)
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE