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トランプ大統領の弾劾裁判、クリントン氏と異なる政治状況に直面

更新日時
  • 1999年の弾劾裁判では与野党指導部がダメージコントロールに動く
  • 党派対立の先鋭化の下、今回の弾劾裁判プロセスは一段と紛糾も

米上院で来年行われるトランプ大統領の弾劾裁判の行方を展望する上で、1999年のクリントン大統領(当時)の弾劾裁判を参考にしたいところだ。しかし、現在のワシントンにおける党派対立の先鋭化を踏まえれば、裁判のプロセスは一段の紛糾も想定される。

  下院本会議は18日、トランプ大統領を「権力乱用」と「議会妨害」で弾劾訴追する決議案を賛成多数で可決。上院はこれら2つの弾劾条項について、大統領を有罪とし罷免すべきかどうかを審議する弾劾裁判を開く。

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1999年2月に行われたクリントン大統領弾劾裁判での上院採決の様子

  99年の場合には民主、共和両党の指導部がダメージコントロールに動いたため、党派的な敵意はやがて収束する方向に向かった。だが、両党に現在作用している政治的な潮流は、当時の両党が直面していたものとは大幅に異なると言えそうだ。

  クリントン政権は弾劾手続き全てを党派的抗争として否定的に描こうとしたが、与党・民主党議員の多くは弾劾訴追のきっかけとなった不倫もみ消しスキャンダルでクリントン大統領の行為に嫌悪感を抱き、それを擁護したくなかった。

  一方、当時の野党・共和党は、弾劾プロセスのさなかに行われた98年の中間選挙で同党が下院議席を一部失い、大統領弾劾手続きに米有権者が拒絶反応を示したと広く受け止められた経緯を痛感していた。

一蓮托生

  これに対し、現在の共和党上院議員の間には、ホワイトハウスから距離を置く必要性を感じている様子はほとんど見られない。トランプ大統領はクリントン氏の場合よりも与党をしっかりと掌握している。

  来年11月の大統領・議会選挙に向け、現職の共和党議員にとって最大の政治的脅威となるのは本選挙で対決する民主党候補ではなく、予備選で党の指名獲得を争う他の共和党候補となりそうだ。

  また、クリントン大統領の弾劾裁判は政権2期目だった一方、現在1期目のトランプ大統領は与党候補として再度指名されるのがほぼ確実であり、トランプ氏と与党議員らの命運はクリントン氏のケースよりも一蓮托生(いちれんたくしょう)の要素が強い。

  こうした情勢を裏付けるかのように、共和党のマコネル上院院内総務は、弾劾裁判の手続きを定める上でトランプ大統領の弁護士との間で調整を図っていると公然と認める。同院内総務はまた、前例に縛られるつもりもない。

  クリントン大統領の弾劾裁判当時の共和党上院院内総務だったトレント・ロット氏は、「マコネル氏ほど上院のルールに精通した人物はおらず、彼には大きな自由裁量の余地がある。彼は前回とは時代背景が違うことも認識している」と話した。

原題:Trump Senate Impeachment Trial Finds Scant Precedent in History(抜粋)

(時代背景の違いやロット元共和党上院院内総務の発言を追加して更新します)
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