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経営再建途上の日産に激震、株価8年ぶり安値-関副COOが退社

更新日時
  • ナンバー3の退社に日産株は5日続落、一時11年9月以来の日中安値
  • すぐ重要な人が辞めるのは日産にとり不信感につながる-識者
Nissan Cuts Profit, Dividend Forecast As Turnaround Stalls
Photographer: Takaaki Iwabu/Bloomberg
Nissan Cuts Profit, Dividend Forecast As Turnaround Stalls
Photographer: Takaaki Iwabu/Bloomberg

日産自動車は25日、関潤副最高責任者(COO)が辞任し、退社することになったと発表した。同氏は自動車部品メーカーの日本電産に移籍する方向。関氏の退社については前日報じられ、カルロス・ゴーン元会長の逮捕後の混乱と業績低迷から抜け出すため新経営体制を発足させたばかりの日産にとって打撃になると市場から受け止められて株価は続落した。

  日産は関氏の退社を発表。本人の申し出を日産が受諾したという。日産株は同日、関氏の退社報道を受けて5日続落となっていたが、正式発表もあって下げ幅が拡大。一時前日比3%安の634円と日中安値としては2011年9月27日以来の水準まで下がった。ゴーン元会長が最初に逮捕された昨年11月19日の終値との比較では約37%の下落となっている。

  関氏は1986年の入社後、30年以上にわたって日産一筋に勤務してきた。生産技術畑の部署や北米での経験を経て2013年から日産の中国合弁の東風汽車に移り、総裁も務めるなど主要市場を知り尽くしている。最近では日産の業績回復の責任者でもあった。西川広人前社長兼CEOの後継者の有力候補の一人と見られていたが、ナンバー3の副COOに選ばれ、今月1日に就任したばかりだった。

  関氏は今月2日の記者会見では日産では生産や販売の現場と「経営層の間に大きな隔たりを作ってしまった」とし、この状況を是正するため内田誠CEOらと協力して改善に努力していく、と話していた矢先の突然の退任話だった。

  日産は同社にとって最優先課題である会社の信頼回復と業績の立て直し、事業構造改革は既に実行され、着実に改善が進んでいるとし、「今後も全社一丸となって取り組んでまいる所存です」とのコメントを発表した。

  いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は関氏の退社について、「日産にとってはマイナスだろう」と指摘。経営トップ3人のうちの1人が抜けてしまうため、また体制を立て直す必要があり、「外部から見ると、すぐに重要な人が辞めるというのは日産の不信感につながりやすい」と述べた。

  SBI証券の遠藤功治シニアアナリストは、関氏の退社は「驚き」とした上で、日産では「若いエンジニアを中心に辞めているようで、今回の件でそれが加速しなければいいのだが」との懸念を示した。

  同社は7月に1万2500人規模の人員削減を実施する方針を明らかにしているが、業績低迷を受けて今後追加のリストラや生産能力削減を迫られる可能性も出ている。

ルノーとの関係見直しが課題

  新経営陣が直面するもう一つの課題がアライアンス相手のルノーとの関係の見直しだ。ルノーは日産株の43.4%を保有する一方、日産はルノー株15%を保有しているものの議決権はない。資本構成を巡る話し合いは進んでおらず、着地点を見つけられないままだ。

  一方、日本電産は創業者の永守重信会長兼CEOは75歳の今も実質的な経営トップで強いリーダーシップを発揮。仕事に対する厳しい姿勢で知られ、日産から同社に移る関氏にも厳しい道が待ち構えている。

  日産系の部品メーカー出身で日本電産副社長を務めた呉文精氏は退社して半導体メーカーに転身。家電大手シャープの片山幹雄元会長など後継候補と目された外部出身者の多くが社長になれなかった。現在の吉本浩之社長兼COOは関氏と同じく日産出身で昨年に後継社長に指名されたが、関氏の移籍が実現すればわずか1年ほどでその地位を追われることになる。

  自動車調査会社、カノラマの宮尾健アナリストは猛烈な仕事ぶりで知られる永守氏は1年や2年といった短期で関氏の資質を見極めるだろうとした上で、関氏が同社で成功を収められるかはカリスマ創業者の「やり方についていけるかがポイントだ」と話した。

(7段落にアナリストのコメントを追加して記事を更新します)
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