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世界の主要中銀、来年予想される動き-FRB、ECB、日銀など

  • FRBとECB、日銀、イングランド銀は20年に金利据え置く見込み
  • 中国人民銀は7日物リバースレポ金利引き下げも

2019年は世界の中央銀行が貿易戦争と製造業不振による景気鈍化への対応で利下げを行い、再び論争に巻き込まれた年だった。

  中には米連邦準備制度理事会(FRB)のように、18年中に利上げを進めたために利下げ余地が生じていた中銀もあったが、欧州中央銀行(ECB)などはマイナス金利の深掘りを余儀なくされる困難な状況に陥った。

  20年は中銀にとって、より静かな年になりそうだ。景気浮揚の取り組みの一部を財政政策が担う可能性があるほか、経済成長には若干明るい兆しが見られる。

The Bloomberg Central Bank Outlook

How major central banks will change interest rates by the end of 2020

Source: Central bank, Bloomberg

Note: Based on median estimates of latest surveys. All rate data as of Dec. 20.

  ただ、経済指標の大半は上向きというよりはまちまちであり、金融政策もなおハト派的な方向に傾いている。主要中銀は金利変更を控える見込みだが、他の中銀、特に新興市場では追加利下げが予想される。

  ブルームバーグ・エコノミクスによる主要中銀の四半期分析は以下の通り。

G-7 Central Banks

Here’s what to expect

Source: Bloomberg surveys

Federal Reserve Chairman Jerome Powell Holds News Conference Following FOMC Rate Decision

パウエルFRB議長

米連邦準備制度理事会

  • 現在のフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標上限:1.75%
  • 20年末の予測:1.75%

  パウエルFRB議長は今月11日、金融政策の現在のスタンスについて、FRBの米経済見通しが大幅に見直されない限り、「今後も適切である公算が大きい」と連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で述べていた。

  同FOMC会合ではFF金利の誘導目標レンジを1.5-1.75%で維持することを決定。それまで3回連続で利下げを実施していた。また当局者17人中13人が来年中の金利変更はないとの見通しを示したことから、大統領選挙が行われる年は様子見姿勢が続きそうだ。

  とは言え、FRBの影が薄くなることはないだろう。短期金融市場がひっ迫しているため、FRBは銀行システムの準備金を再び潤沢にするため米国債を購入してきた。一部投資家は、FRBの購入対象を短期利付債にまで広げる必要があると主張している。パウエル議長はそうした措置に踏み切る用意はできていないと語ったものの、必要なら実施する意向を示した。

欧州中央銀行

  • 現在の中銀預金金利:-0.5%
  • 20年末の予測:-0.5%

  ECBは必要に応じて再び刺激策を強化するとの立場をとっているものの、9月に当時のドラギ総裁が域内経済の伸び鈍化への対応で金融緩和パッケージを導入した後、当局者らは一時休止の支持を公に示してきた。

Lagarde

ラガルドECB総裁

Photographer: Peter Juelich/Bloomberg

  政策当局者らは銀行の利益率低下や金融安定性へのリスクなど、マイナス金利の悪い面をますます指摘するようになっている。ラガルド総裁は03年以来となる戦略見直しの一環としてマイナス金利の検討を行うと約束している。

  エコノミストや投資家は20年いっぱいとそれ以降も金利は据え置かれ、量的緩和(QE)が続くと予想している。しかし貿易を巡る不確実性により域内経済が悪化したり、製造業の悪化がサービス部門に波及したりする場合にはECBは再び試練に直面する可能性がある。

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日銀の黒田東彦総裁

日本銀行

  • 現在の政策金利:-0.1%
  • 20年末の予測:-0.1%

  20年の日本銀行の見通しは、成長支援のための政府の財政措置に加え、世界経済に改善の兆しが見られることから、若干明るくなり、政策金利は当面据え置かれる可能性が高い。

  日銀はガイダンスが緩和方向に傾いていると表明しているものの、政策金利がマイナス圏となり、日銀のバランンスシートの規模が国内総生産(GDP)を超える中で再び動くハードルは高い。

  黒田東彦総裁は米中貿易交渉の推移や、今秋の消費増税の影響を注視する見込み。一部のエコノミストは、政策当局者が望むように消費増税の影響が過去のケースよりも小さくなるかどうか疑問を抱き始めている。

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イングランド銀行のカーニー総裁

イングランド銀行

  • 現在の政策金利:0.75%
  • 20年末の予測:0.75%

  イングランド銀行(英中央銀行)の次期総裁は英金融行動監視機構(FCA)のベイリー長官に決まり、時に混乱を招いたカーニー総裁の後任選びに終止符が打たれた。

  3月16日に就任するベイリー氏は世界的な景気後退に加え、減少を続ける投資の問題に対処しなければならない。最も懸念されるのは欧州連合(EU)離脱が迫る中、ジョンソン首相が「移行期間」の延長を要請しない限り、来年末までにEUと自由貿易協定(FTA)を結ばなければならないことだ。

  現在、イングランド銀の金融政策委員会メンバー9人のうち、2人が利下げを望んでいる。総選挙でのジョンソン首相の勝利とEU離脱に向けた展開により、このバランスが変わるか注目されている。

中国人民銀行

  • 現在の1年物の貸出基準金利:4.35%
  • 現在の7日物リバースレポ金利:2.50%
  • 20年末の予測:それぞれ4.35%と2.35%

  19年中に人民銀による大規模な金融緩和が始まると予想していたアナリストらは今年、失望続きだった。人民銀の易綱総裁は20年に穏健(慎重)で的を絞った刺激策の道筋をたどる意向を示している。

  ただ、中国経済が一段と不調に陥った場合は、人民銀は預金準備率引き下げを通じて金融システムに引き続き流動性を供給するとエコノミストはみている。これは今年も生産活動を後押しするために好んで用いられた手法だ。

原題:Our Guide to What the World’s Top Central Banks Will Do Next Year(抜粋)

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