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Photographer: John Taggart

米10年債利回り、2%が注目すべき数字に-今後1年間の展望

  • 現在は1.9%を若干上回る水準に張り付いたまま
  • インフレ期待の上昇で利回り曲線はスティープ化
(EDITORS NOTE: Image has been converted to black and white.) Buildings stand on Wall Street near the New York Stock Exchange (NYSE) in New York, U.S.
Photographer: John Taggart

今後1年間、世界の指標金利で注目すべき数字は2%となりそうだ。過去1年間は、債券利回りがどこまで上昇するかについての投資家の期待を裏切る結果となってきた。

  昨年の今ごろ、米10年債利回りを巡る市場の予想は、0.5ポイント程度上昇して3.29%前後で年末を迎えるというのが中心的だった。今年最後の6営業日に異例の事態がない限り、この予想は130ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)余り実際の数値を上回ることになりそうだ。

  米金融当局が今年早い段階でハト派姿勢に転じたことで、米10年債利回りが3%を上回る水準に回帰するかどうかについての議論は早々と決着した。トレーダーは2020年を展望するのに当たり、2%を上回る状況となりそうか問われることになる。

  ただ、そのように考える投資家は多くないと見受けられる。利回り上昇のきっかけとなりそうだった2つのイベントは既に過去のものとなった。

  今月行われた英総選挙で保守党が圧倒的な勝利を収め、同国の欧州連合(EU)離脱の道筋がこれまでよりクリアになりそうなことや、米国と中国が第1段階の貿易合意に達したことだ。このような出来事があったにもかかわらず、米10債利回りは1.9%を若干上回る水準に張り付いたままだ。

The U.S. benchmark is bumping up against a much lower ceiling

  マッケイ・シールズのポートフォリオマネジャー、アレクサンドラ・ウィルソンエリゾンド氏は「世界の経済成長は不安定だ。単に第1段階の問題解決があったからといって浮揚するようなものではない」と語った。

  これから世界経済が回復するとしても、米金融当局が来年を通じて金利を据え置く可能性を踏まえれば、米短期債利回りは伸び悩み、長期債利回りについても、投資家がプラスの利回りを生む資産を世界中に求めて、相場下落局面ですかさず買いを入れる用意がある限り、上昇には歯止めがかかることになりそうだ。

  最近はこうした状況が続いており、8月以降の米10年債利回りの動向を見ると、先月に付けた1.97%がピークとなったままだ。

  このような流れに対抗するのは、債券市場の強気相場にとって最大のリスクの1つについて投資家がようやく思案し始めたことだろう。それはインフレ期待が上昇しつつあるという点だ。10年物のブレークイーブンレートは20日に1.8%と7月以来の高水準を付けた。

  インフレリスクへの関心が高まった背景には、米国以外での製造業データの改善と米国内の個人消費の堅調持続がある。その結果、利回り曲線もこの数カ月、スティープ化しつつある。米2年債に対する10年債のスプレッドは先週、18年10月以来の大きさに達した。

  ウィルソンエリゾンド氏は「米国債利回り曲線のスティープ化はインフレ期待の上昇を一部反映しようとするものと考えられる。しかし、米景気拡大は11年目であり、新年に向けてリスクは多い」との見方を示した。

原題:In 2020, 2% Looks Like the New 3% for the World’s Benchmark Rate(抜粋)

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