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Photographer: Toru Hanai/Bloomberg
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ユニゾHD、従業員と米ローン・スターによる買収で非公開化へ

更新日時
  • チトセア投資が1株5100円でTOB実施、ローン・スターが資金提供
  • ユニゾHDの経営陣は2020年5月末までに全員辞任へ

米投資会社ブラックストーン・グループは23日、従業員らによる株式公開買い付け(TOB)に賛同を発表したユニゾホールディングスに対して、引き続き「選択肢を検討している」との声明を出した。

  ユニゾHDは22日夜、従業員と米投資ファンドのローン・スターによるTOBに賛同する意向を表明。TOB価格は1株当たり5100円とした。ブラックストーンはそれらTOBの諸条件を検証していることも明らかにした。

  ユニゾHDの発表によると、同社の一部従業員が73%、ローン・スターが27%出資するチトセア投資がTOBを実施する。従業員による買収(EBO=エンプロイー・バイアウト)となる。TOB期間は24日から2020年2月4日まで。全株式の取得を目指し、買い付け予定の下限を66.67%とする。株式の取得総額は1748億円となり、ローン・スターから資金提供を受ける。

  ユニゾHDは賛同理由として、最も高い価格の評価や同社を分離・分割せず今の形を基本的に維持することなどを挙げた。ユニゾHD経営陣は20年5月末までに全員辞任する。

膠着状態から抜け出す

  ユニゾHDをめぐる争奪戦は、まず旅行大手のエイチ・アイ・エス(HIS)が7月、1株3100円で敵対的TOBを仕掛けたことで始まった。

  これに対して、ユニゾHDは反対を表明。対抗措置としてソフトバンクグループ傘下のファンド、フォートレス・インベストメント・グループが実施する同4000円のTOBに賛同するとしたものの、その後撤回。TOB価格5000円への引き上げを求めたが、フォートレスは4100円の引き上げにとどめTOB期間を延長していた。ユニゾHDは12月22日、フォートレスのTOBに対して反対を表明した。

  一方、ブラックストーンは10月15日、ユニゾHDの同意を条件に1株5000円でTOBを実施する意向があると発表。ユニゾHD側と協議を続けながら、同意を得られない場合などはTOB実施の可否を含めてあらゆる選択肢を検討するとしていた。 

  さらに、ユニゾHDは先月25日、フォートレス、ブラックストーン以外にも国内外のファンド4社、国内事業会社1社からの買収提案について協議していると明らかにしていたが、いずれの提案に対しても決着しない状態が続いていた。

  今回のユニゾHD従業員とローン・スターによるTOB発表について、野村証券の福島大輔アナリストは「ユニゾHDも賛同しており、膠着(こうちゃく)していた状態から一歩抜け出た」と指摘。ただ、さらに対抗的なTOBが出てくる可能性はあるとの見方も示した。同様のTOBが起きるとの連想から、業績が良く、含み益を持ち、株価の安い他の不動産株に投資家の関心は向かうだろうとも述べた。

  ファンド勢が相次いでユニゾHDのTOBに関心を示した背景には、同社保有の国内外の不動産が多額の含み益を抱えていることも要因とみられている。ユニゾHDの決算資料によると、同社が保有する賃貸オフィスビルや運営するホテルなどの不動産含み益は3月末時点で2209億円。3年前と比べて6割増加している。

(ブラックストーンのコメントを追加して記事を更新します)
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