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黒田日銀総裁:海外経済に明るい兆し、超長期金利上昇していい

更新日時
  • 経済対策は金融緩和と相乗効果、1月展望リポートに反映
  • 金融政策は緩和方向を意識、必要あればマイナス金利深掘り
黒田日銀総裁

黒田日銀総裁

Photographer: Akio Kon/Bloomberg
黒田日銀総裁
Photographer: Akio Kon/Bloomberg

日本銀行の黒田東彦総裁は19日、金融政策決定会合後の記者会見で、海外経済面には若干明るい兆しがみられるものの、リスクは全体としてはなお高水準で警戒を要するとし、引き続き緩和方向を意識した政策運営が適当との考えを表明した。現在の超長期金利がもう少し上昇しても「おかしくない」との見解も示した。

  総裁は、最大のリスク要因と位置付けている海外経済について、米中通商交渉における部分合意や英総選挙を受けた欧州連合(EU)からの合意なき離脱リスクの低下、順調な米国経済などに言及した上で、数カ月前よりも見通しが「やや明るくなっているのは事実」と述べた。特に米中貿易摩擦の緩和などを通じて「世界貿易が再び活性化していけば、世界経済にとって大きなプラス」になると期待感を示した。

  ただ、米中通商交渉の帰すうなど「依然としてリスクはかなり高い水準にある」とし、動向を「引き続き注意していく必要がある」と指摘。金融政策は必要があればマイナス金利の深掘りもあり得るとしたが、低金利長期化による金融機関経営への影響など副作用にも配慮する考えを改めて説明した。

  日本経済については「特に製造業のマインドに慎重な面がみられ、輸出生産に弱めの動きがみられるのは事実」としながらも、設備投資が底堅く推移していることに加え、10月からの消費税率引き上げの需要面への影響も前回の増税時より小さいとの認識を示した。

  さらに、政府による大型の経済対策が「国内需要を大きく下支えし、日本経済の持続的な成長につながることが期待される」と指摘。日銀のイールドカーブコントロール政策との相乗効果が高まるとし、物価にも「需給ギャップの押し上げなどを通じてプラスの影響を与える」と語った。経済対策を「適切」と評価し、1月に公表する「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」に経済・物価への具体的な効果を反映させる考えを表明した。

  夏場に大きくフラット(平たん)化したイールドカーブは最近は戻り基調にあるが、総裁は「今のイールドカーブが非常に困るということではない」としながらも、「超長期はもう少しスティープになってもいいのではないか。もう少し超長期のところが上がってもおかしくない」と語った。

金融政策は現状維持

  日銀は同日の金融政策決定会合で、長短金利操作付き量的・質的緩和の枠組みによる政策運営方針の維持を賛成多数で決定した。景気の総括判断は「基調としては緩やかに拡大している」に据え置き、国内需要の先行きについて、金融緩和や積極的な政府支出を受けて増加基調をたどるとの判断を示した。

日銀会合に関する記事はこちらをご覧ください

  会合では、4月に導入の検討を決めた、市場の流動性向上のための指数連動型上場投資信託(ETF)貸付制度について、実施頻度や貸付期間などの詳細も決めた。

  

(会見の詳細を追加し、見出しを差し替えて更新しました)
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