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元米FRB当局者、金融緩和と規制緩和の同時進行のリスクに警告

  • 将来的な金融危機を助長とブラインダー、タルーロ、リャンの3氏
  • ノンバンクのSIFI指定もうないと表明したも同然とタルーロ氏

米連邦準備制度理事会(FRB)の元当局者の一部は、金融当局が現在、緩和的な金融政策と同時に銀行規制の緩和を進めることで、将来的な金融危機を助長するリスクを冒しているとみている。

  こうした警告を発しているのはアラン・ブラインダー元FRB副議長とダニエル・タルーロ元FRB理事、元FRBエコノミストのネリー・リャン氏だ。

Federal Reserve Jackson Hole Economic Symposium

アラン・ブラインダー氏

  3氏は、緩和的な金融情勢と規制緩和の組み合わせが、金融機関や投資家がレバレッジを積み上げ、過度のリスクを取るのを促すことになると懸念。それは短期的には経済成長を促進するかもしれないが、投機的な動きが巻き戻される事態となれば、結局、リセッション(景気後退)を引き起こすことになりかねないと指摘する。

  FRBの金融安定性部門のトップを務め、現在はブルッキングズ研究所シニアフェローのリャン氏は、「金利を引き下げ、借り入れを増やすインセンティブを整えれば、リスクが増すのは当然だ。それはつまり、今が金融規制を大幅に緩和するのに適切な局面ではないことを意味する」と語った。

Yields on U.S. non-investment grade debt have fallen to a five-year low

  既に緩和的な金融情勢によって支えられた世界の成長が、米国と中国の第1段階の貿易合意でさらなる追い風を受けるとの期待を背景に、米株価は過去最高値を更新し、ジャンク債利回りは5年ぶりの低水準を付けた。

  米金融当局者は今年3回の利下げに踏み切った後、今月10、11両日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)では金利据え置きを決め、米大統領選が行われる来年いっぱいは金利を据え置くとの見通しを示した。

  金融当局は同時に、銀行のストレステスト(健全性審査)やボルカー・ルールのトレーディング制限などへの変更を含め、金融規制・監督にさまざまな修正を加えたり提案したりしている。

  いったんはトランプ大統領がFRB理事に指名したものの、一部議員の反対を受けて指名を辞退したリャン氏は、企業債務の増大に懸念を表明。「次の景気下降局面では、デフォルト(債務不履行)や投資家の損失が予想を上回り、次回のリセッションはもっと深刻なものになると心配している」と語った。

  ハーバード大学ロースクールで教えるタルーロ氏は、金融安定監視評議会(FSOC)が最近、特に厳しい監督を要するシステム上重要な金融機関(SIFI)に該当する条件を引き上げたことについて、「ノンバンクを指定することは決してないと表明したのもほぼ同然で、議会の意思を無視するにも等しい」と批判した。

  また、プリンストン大学教授のブラインダー氏は、規制・監督強化の流れの「後戻り」で一段と非難されるべきなのはトランプ政権下で起用された他の規制当局の当局者だとしつつも、連邦準備制度も金融と規制の同時緩和について責任を免れられるものでないとの認識を示した。

Fed warns persistently low yields could encourage risk-taking

原題:Fed Alumni Fear Crisis Risk in Simultaneous Cuts to Rules, Rates(抜粋)

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