コンテンツにスキップする
Subscriber Only
Photographer: Toru Hanai/Bloomberg
cojp

11月貿易収支は2カ月ぶり赤字、自動車や鉄鋼の輸出振るわず

更新日時
  • 貿易収支821億円の赤字-輸出は前年比7.9%減と12カ月連続マイナス
  • 輸出は下落幅縮小でも、基調として強い感じがしない-SMBC日興

輸出から輸入を差し引いた日本の貿易収支は11月速報で821億円の赤字だった。赤字となるのは2カ月ぶり。赤字額は市場予想を下回った。輸出は自動車や鉄鋼などが振るわず、12カ月連続で減少した。財務省が18日発表した。 

        

キーポイント

  • 11月の貿易収支は821億円の赤字(ブルームバーグ調査の予想中央値は3555億円の赤字)-前月は157億円の黒字
    • 輸出は前年同月比7.9%減(予想は8.9%減)の6兆3822億円と12カ月連続減少-前月9.2%減
      • 輸出数量指数は5.0%減
    • 輸入は15.7%減(予想は12.8%減)の6兆4642億円と7カ月連続減少-前月14.8%減

 

 

輸出は12カ月連続で前年割れ

   

      

エコノミストの見方

SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミスト:

  • 輸出は前年比で下落幅が縮小したが、10月の台風の影響が和らいだためで、基調として強い感じがしない。外需の本格的な持ち直しとは言えない
  • 電気機器はITサイクル底入れというのはあるが、自動車は弱く、一般機械はグローバルな設備投資減速の影響を受けている。米中貿易戦争はいったん解決方向だが、最終的に妥結しないと投資する側としては難しい
  • 輸入から見て内需は強くない。全般に増税後は台風で反発する以外はそんなに戻らないかもしれない。原油や価格要因を除いても、名目ベースで増税後は落ちている
  • 物価も弱く、貿易統計からも景気サイクルの強さは読み取れない。日銀は様子見とみているが、米中が解決方向に向かっても実体経済は遅れて動くので、少なくとも1-3月期も外需低迷続くリスクに注意する必要

農林中金総合研究所の南武志主席研究員:

  • 強い数字ではないが輸出が底を探っていることを改めて確認できる内容
  • 以前のように輸出が減速し、経済の下押しになるような感じではなくなってきている
  • 米中貿易交渉の進展も今後の輸出に寄与
  • 来年前半には輸出のプラスへの回復を期待できるのではないか

詳細

  • 中国向け輸出は5.4%減-9カ月連続マイナス
    • 有機化合物や自動車部分品が減少、自動車は増加
  • 米国向け輸出は12.9%減-4カ月連続マイナス
    • 自動車や建設用・鉱山用機械が減少
  • EU向け輸出は7.5%減-4カ月連続マイナス
    • 建設用・鉱山用機械や原動機が減少、自動車や自動車部分品は増加

背景

  • 11月の中国貿易統計では、世界的な需要後退から輸出が市場予想に反して減少。一方、米中両国は貿易交渉の第1段階の文書で合意し、今月15日に発動予定だった米国の対中関税引き上げが見送られた
  • 11月の工作機械受注額(速報値)は前年同月比37.9%減の817億円と、14カ月連続で前年を下回った
  • 7-9月の実質国内総生産(GDP)改定値は前期比年率1.8%増と、速報値(0.2%増)から大幅に上方修正。人手不足に対応する設備投資の上振れなどが寄与
(詳細を追加し、エコノミストコメントを差し替えて更新しました)
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE