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「GAFA」支配監視へ一歩、公取委がデジタル企業買収審査で新指針

  • 届け出基準未満企業でも公取委への相談望ましい、買収額400億円超
  • デジタル・プラットフォーマー対策も、優先的濫用防止へ考え方策定

公正取引委員会は17日、拡大が続くデジタル市場での企業買収を審査するため、独占禁止法の運用方針を見直した。対象企業の売上高や市場シェアが小さい場合でも、大量のデータがあれば寡占が起きやすい状況を踏まえ、買収総額が400億円を超すケースでは公取委へ相談することが望ましいとしている。

  同日施行された新しい「企業結合審査に関する独占禁止法の運用方針(企業結合ガイドライン)」は、サービスが多岐にわたるため、これまでは曖昧との指摘があったデジタル分野の案件に的確に対応することが狙い。具体的には、需要者層ごとに一定の取引分野を確定するほか、統合で競争を実質的に制限するケースについて公取委の考え方や審査方法を明文化した。

  企業結合計画に対する審査の手続きを明らかにする対応方針も改定した。これまで届け出基準を満たさなかった計画のうち、買収対価の総額が大きく、国内需要者に影響を与える場合には資料提出を求め、審査する。買収総額が400億円を超すと見込まれ、被買収企業の国内売上高の合計額が1億円を超える場合などでは公取委への相談が望ましいとも記述した。

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Photographer: LIONEL BONAVENTURE/AFP

  また、インターネット上のインフラを提供するデジタル・プラットフォーム事業者の優先的地位の濫用を防ぐため、独禁法上の考え方も新たに策定。米国の「GAFA」に代表されるデジタル・プラットフォーム事業者は、中小企業やベンチャーなど利用者に対し国際市場へのアクセスを容易にした半面、個別交渉の難しさや規約の一方的変更、高い利用料金といった問題点も指摘されていた。

  公取委では、優先的地位の濫用になり得る問題のうち、「代替可能なサービスを提供する他の事業者が存在しない」「サービスの利用をやめることが事実上困難」「事業者の意思で自由に価格や品質、数量など取引条件を左右できる」ケースに該当した場合、優先的に審査を行う。

  政府は6月に閣議決定した成長戦略実行計画で、拡大するデジタル市場での取引慣行の透明性や公正性の確保、データの独占による競争阻害の恐れに対応する法制とガイドラインの整備が必要だと強調。これを受け、公取委は原案に対する意見公募などを行ってきた。

  米ネットワーク製品メーカーのシスコ・システムズによると、全世界のモバイルデータトラフィック(通信量)は22年に1カ月当たり77.5エクサバイトと17年に比べ7倍に増える見通し。年平均成長率は46%と予測されている。

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