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2020年日本株、前半高・後半安か-景気追い風も割高感など重し

更新日時
  • 高値はTOPIX1850、日経平均2万5000円近辺とストラテジスト
  • 高値時期は年前半、その後は売りに押される展開の予想が多い

2020年の日本株は景気の底入れ期待から株価への追い風が吹く半面、上値についてはバリュエーションの解釈からストラテジストらの予想が分かれている。全体の傾向としては「前半高値・後半安値」とみる向きが多い。

  国内外証券9社の予想によると、20年の高値はTOPIXで1850(16日終値比6.5%高)、日経平均株価で2万5000円近辺(同4.4%高近辺)を予想する見方が多い。ことしのパフォーマンスは18年終値比で一時約2割高まであったのに対し、伸び率についてはやや鈍化の見込みだ。

  野村証券の池田雄之輔チーフ・エクイティ・ストラテジストは「9月以降、為替の円安よりも株高ペースの速さが目立つ」と前置きした上で、「なぜ株の方が先走っているのか。市場は米国の利上げよりもまずは世界景気の持ち直しが先行するとみているためだ」と語る。景気や業績の裏付けに乏しい中での株高は期待先行にみえてしまうものの、景気インパクトを持つ大統領政策と効果的だった予防的利下げという「トランプ米大統領とパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長の相乗効果で説明できる」とみる。

Inside the Tokyo Stock Exchange As Japanese Shares Rebound

日本株は年前半に勢いが継続するとの見方が多い

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  日本株の先高期待は、米中通商摩擦がやや沈静化する中で景気や企業業績への回復期待が根強いことがある。JPモルガン証券では企業センチメントの改善による設備投資の回復などから、世界の実質成長率は20年1-3月期まで潜在成長率を下回った後、緩やかに持ち直すと予想する。

  同証の阪上亮太チーフ株式ストラテジストはリポートで、「米中関係、世界景気、企業業績への期待は年明け後もしばらく続く公算が大」として、13年以降のTOPIXの株価収益率(PER)13-15倍がコアレンジだった経緯から、PERで最大15倍程度のTOPIX1850、日経平均2万5000円程度の高値があるとみる。

  また、モルガン・スタンレーのアジア・新興市場株式担当チーフストラテジスト、ジョナサン・ガーナー氏らも、20年の世界経済は確実に改善するとリポートで想定。日本の四半期の成長率は1-3月からプラスに回復し、TOPIXベースの利益成長率は20年が6%、21年が7%となり、株主資本利益率(ROE)は過去最高の11%に達すると試算している。

  もっとも、UBS証券ウェルスマネジメント本部ジャパンエクイティリサーチヘッドの居林通氏はバリュエーション面などから判断して、「株価は業績好転など好材料をほぼ先に織り込んだ」と言う。楽観論の織り込みが進めばベストケースで日経平均は2万5000円までありえるものの、米中技術覇権争いの継続や米大統領選での共和党と民主党の政策の違い、拡大し続ける米景気の腰折れ懸念が次第に重しになると予想する。

  岡三証券の松本史雄チーフストラテジストは、バリュエーションが期待を織り込んだだけでなく、景気のサイクル面からも上値が重いとみる1人。「3年程度の景気の短期サイクルは底を入れたことで目先の株価は強いものの、設備投資など長期のサイクルはピークアウトしている可能性がある」として、「年後半はファンダメンタルズがさほど良くならないかもしれない」と分析。夏場以降は21-23年に予想される調整への備えが必要になるとみる。

  20年の安値水準で、日経平均2万円割れまでの下落を予測するのはメリルリンチ日本証券の山田修輔チーフFX・日本株式ストラテジストだ。山田氏は株価のマイナス要因として、貿易戦争による中長期的な影響や再燃の懸念、景気サイクルが終盤に向かう可能性などを見込んでいる。

  市場関係者がそろって年後半の不透明要因の一つとして挙げるのは、20年最大の政治イベントである米大統領選の行方だ。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘チーフ投資ストラテジストは「大統領選の年は日米ともパフォーマンスが悪い。トランプ米大統領の2期目であろうとその他の民主党候補であろうと、4-6月がピークとみられる景況感から考えてその後に上値を追うのは容易ではない」と読む。

高値(時期)予想安値(時期)予想
野村証

TOPIX2075(6月)

日経平均2万8000円

TOPIX1625(7ー12月)

日経平均2万2000円

SMBC日興

TOPIX1850(10-12月)

日経平均2万5500円

TOPIX1650(1-3月)

日経平均2万2500円

三菱モルガン※日経平均2万4800円(5月)日経平均2万円(10月)
岡三証

TOPIX1770(3月)

日経平均2万4200円

TOPIX1700(12月)

日経平均2万3000円

JPモルガン

TOPIX1850(1-3月)

日経平均2万5000円

TOPIX1500-1550(7-9月)

日経平均2万500-2万1000円

UBS日経平均2万5000円(3月)日経平均2万1000円(10月)
メリル日本証

TOPIX1800(1-3月)

日経平均2万5500円

TOPIX1400(4月以降)

日経平均1万9500円

ゴールドマン※

TOPIX1800(10-12月)

日経平均2万5000円

モルガンMUFG※TOPIX1860
※三菱モルガン予想は藤戸則弘チーフ投資ストラテジスト、ゴールドマンは高値のみ、モルガンMUFGは年末の目標値のみ
(第5段落にバリュエーション、最終段落に米大統領選に関する見方を追記します)
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