コンテンツにスキップする

後発の海外展開でアクセル、利益倍増の200億円へ―SMBC日興社長

  • 米国では債券引き受け業務強化、中国では単独での証券会社設立狙う
  • 来春から週3ー4日勤務体系も可能に、介護などへの対応認める
Views of Nomura and Other Financial Institutions Ahead of Earnings Report
Photographer: Akio Kon/Bloomberg
Views of Nomura and Other Financial Institutions Ahead of Earnings Report
Photographer: Akio Kon/Bloomberg

三井住友フィナンシャルグループ傘下のSMBC日興証券は、2023年3月期までに海外の利益を約2倍の200億円に引き上げる。主戦場の米国では債券引き受け業務の強化で主幹事ランキング15位以内に入れる態勢を整えるほか、中国では証券業務参入を視野に駐在員事務所の設立準備を進めるなどアジアでも業容拡大の布石を打つ。

SMBC Nikko Securities CEO Yoshihiko Shimizu

インタビューに答える清水社長

Photographer: Takako Taniguchi/Bloomberg

  清水喜彦社長はブルームバーグとのインタビューで、競合他社と比べて後れてスタートした海外事業について、銀行グループの強みを生かして加速させる考えを示した。SMBC日興は今期(20年3月期)の海外事業の経常利益を約100億円と見込んでいる。200億円の海外利益目標は、来年度からの三井住友Fの新中期経営計画の一端を担う。

  清水氏は「一番収益ロットが大きいのはやはり米国」として、同国関連で利益目標の少なくとも6-7割を稼ぐ方針を示した。米国は融資割合に応じて債券引き受け割合が決まる独特の慣習があるといい、銀行系証券は有利との見方を示した。債券事業での存在感を株式引き受けや企業の合併・買収(M&A)につなげる戦略だ。今期中にカナダ・ドル建て社債の引き受け業務にも参入する。

  ブルームバーグのデータによると、16日現在の19年の米投資適格社債の引き受け主幹事ランキングで三菱UFJフィナンシャル・グループは8位、みずほフィナンシャルグループは9位、三井住友Fは15位を占めている。一方、独立系の野村ホールディングスは42位、大和証券グループ本社は105位と後れを取る。

海外での飛躍目指す

22年度の海外の経常利益目標は200億円

出所:SMBC日興証券

注:年度ベース、2019年度は見込み、22年度は計画

  SMBC日興は米デット・キャピタル・マーケット(DCM)業務の陣容を徐々に整備。チームの責任者だった佐竹義博氏を7月3日付で東京の資本市場本部に異動させ、案件をより多く獲得するためグローバルでの企業の債券発行ニーズを吸い上げる調整役に任命した。清水社長はこの体制が「非常にうまく機能し始めた」とし、米投資適格社債の引き受けランキングで15位内に入れる態勢を整えるとした。

  米国株業務では、テクノロジー、ヘルスケア、エネルギー、不動産投資信託(REIT)の4分野に絞って調査を含む引き受け体制を立ち上げた。清水社長は「われわれが強くて、米国市場でそれなりの成長性、規模がある分野でないと意味がない」とし、戦略に自信をのぞかせた。

中国で証券会社設立や週3勤務も

  アジアでは、まず中国で先月、北京駐在員事務所の設立認可を取得した。上海にM&A助言の拠点を持つが、清水社長は「今回は証券会社設立に向けた情報収集が目的だ」と断言。現時点では自社の裁量が大きい独資での進出を検討しているといい「プライベートバンキング業務に興味がある」とした。同業務では、来夏をめどにシンガポールで既存の日系顧客に加え、海外顧客にも対象を広げる。

  また、多様な働き方を許容する社会の変化に沿って、来春から週3-4日勤務、副業容認などの新制度を導入する。週4日勤務の場合、管理職を除く30歳以上の社員が対象で、給与は通常勤務の場合と比べて2割減となる。自身も母親の介護をしているという清水社長は「実家が遠い人は移動に時間がかかり、週末だけでは介護できない。実態に合った制度にしたかった」と強調した。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE