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米中が第1段階の貿易合意の詳細で妥結-摩擦激化の懸念和らぐ

  • 米は対中関税の一部引き下げ、中国は米国産農産物の購入拡大へ
  • 15日に予定されていた米国の新たな対中関税の発動見送り

米国と中国は、第1段階の貿易合意の詳細で妥結したと発表した。米国は既に発動している対中関税の一部を引き下げることになり、少なくとも当面は世界の2大経済大国の貿易摩擦激化の懸念は和らぐことになりそうだ。

  発表された合意では、中国による大豆や豚肉など米国産農畜産物の購入拡大、知的財産保護や米企業に対する技術移転の強制、為替問題での新たな約束が鍵となる。トランプ米大統領は、中国による農産物購入が「極めて近いうち」に年間500億ドル(約5兆4700億円)規模に達すると期待していると述べた。

President Trump Hosts Paraguay's President Mario Abdo Benitez At The White House

トランプ大統領

Photographer: Oliver Contreras/SIPA USA/Bloomberg

  米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は13日、記者団に対し、15日に予定していたスマートフォンや玩具などの中国製品1600億ドル相当に対する新たな関税の発動を見送ることも明らかにした。

  ライトハイザー代表は、中国が今後2年間について米国からのモノやサービスの輸入を2017年の水準より少なくとも2000億ドル増やすことにコミットしていると語った。これは、17年の米国の対中輸出実績1870億ドルの2倍余りに上ることを意味する。

  トランプ大統領はその見返りとして、中国製品1200億ドル相当に課している15%の追加関税率を半減する。ただ、別の約2500億ドル相当に課している25%の関税率は維持する。大統領も、15日に予定していた新たな関税の発動を先送りすると話した。

  中国当局者は深夜に北京で開いた記者会見で合意について発表。トランプ大統領は「これは全ての人々にとって素晴らしい合意だ。ありがとう!」とツイートした。

  ライトハイザー代表は、合意文書が86ページに及び、自分と中国の劉鶴副首相が来年1月初めにワシントンで署名後、公表される見通しだと述べた。署名に先立ち両国の法律家が合意内容を精査する予定で、署名の30日後に発効する運びだと説明した。

  さらに合意については、農産物購入にとどまらず、全面的に執行可能な意義あるコミットメントを含む「非常に重要な前進」だと指摘。合意の違反があった場合には、紛争解決の執行メカニズムに基づき、米中双方が関税を課すことができると述べた。

  ライトハイザー代表によれば、中国側からは貿易摩擦深刻化以前のコモディティー購入240億ドルに年間さらに少なくとも160億ドルを上積みするとともに、年間の購入を最大500億ドルとするよう努めるとの詳細なコミットメントもあった。個々のコモディティーに関する詳細な購入目標は公表されないという。

  トランプ大統領は13日、第2段階の貿易合意に向けた交渉が「早急に」始まるだろうと明言。大統領は記者団に「中国は関税撤回を望んでおり、われわれはそれを認識している。しかし、関税は第2段階の合意のための交渉の場で活用されることになる。中国側は早急に交渉を開始したい意向で、私もそれに異存は無い」と語った。

  だがライトハイザー代表は、第2段階の交渉でどのような問題を取り上げる可能性があるかや、協議をいつ始めるかはまだ定まっていないと話した。

原題:U.S. and China Reach ‘Phase-One’ Deal Easing Trade Tensions (3)(抜粋)

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