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三井住友F社長、戦略投資はコストにあらずーデジタル化を積極推進へ

  • 来期からの次期中計では戦略領域でのIT投資は経費と分ける方針
  • アジア地域では収益の柱の構築を加速へ、利益の国内依存度を軽減

三井住友フィナンシャルグループは、来年度から始まる次期中期経営計画で経費管理の在り方を変える。戦略領域での投資をしやすくすることで、IT技術を使ったサービス展開や金融プラットフォーム構築などデジタライゼーションを積極的に進める。

  太田純社長は10日のインタビューで、次期中計期間は「収益環境が厳しくなる」との見通しを示した上で、数値目標の経費率については「単純な経費率ではなく、前向きな投資を除いた形で示したい」と述べた。具体的には、これまでITシステムのメンテナンスと同じ「コスト」として捉えてきた戦略的なIT投資を経費とは分けて考える。

  低金利環境で収益が伸び悩む中でも、三井住友Fは厳密なコスト管理をすることで経費率を低水準に抑えてきた。しかし、現中計では戦略的な投資分野も経費に含めたことから「前向きな投資についても手がかじかんだところがあった」と振り返った上で、「将来を考えて必要な投資がされないことのほうが懸念」として、抑制要因となる可能性を排除したいと語った。

厳密な経費管理

三井住友Fは経費率を低水準に抑えていた-メガ3行比較

出所:会社資料

  

アジアに収益の柱

  成長ドライバーと位置付けてきた海外では、収益の柱の構築を加速する。インドネシアで中間所得層の取り込みを図るとともに、ベトナムやフィリピン、インドなどでも経済成長に応じた金融サービスを展開することで、高い成長率を誇る同地域からの利益拡大につなげる。

  太田社長は「GDP(国内総生産)が伸びていくところにベットする(種まきをする)」ことが金融業の成長戦略だとして、そのメリットを享受するためには特定の層だけでなく幅広く事業を展開する必要があるとの認識だ。フィリピンでは出資が可能な中堅銀行などのリストアップを進めているという。

  2019年3月期の業務純益に占める国際事業部門の割合は約3割。インドネシアは若年層が多く人口が伸びていることや日本企業の進出が多いことなどから「日本と同規模の収益が得られる地域」となる可能性を示唆した。他地域にも収益の柱を作ることで「将来的に日本は一つの地域になる」として、利益の日本依存度は軽減されていくとの見方を示した。

  一方、アジア地域での収益機会は経済情勢や規制によっても変わってくる難しさがあるとも指摘。「ある程度時間がかかるのは覚悟している」としながらも、経済の発展段階で変わるニーズを見極め、成長に合わせた業務を展開していきたいと述べた。

アジアの三井住友Fを構築へ、商業銀行の買収を検討ー太田社長

  

  

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