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パウエルFRB議長、低インフレ下での長期の政策据え置き姿勢示唆

  • 失業率は半世紀ぶり低水準も労働市場のさらなる改善可能との認識
  • 「以前考えられていたよりずっと低水準の失業率でもやっていける」

米連邦準備制度理事会(FRB)議長として、故ポール・ボルカー氏は「インフレファイター」の名声を博した。一方、パウエル現議長は、雇用情勢改善の闘士として名を残すことを望んでいるように見受けられる。

  米金融当局が金利据え置きを決めた11日、パウエル議長は約50分間に及んだ記者会見で、失業率が半世紀ぶりの低水準にあっても、労働市場のさらなる改善は可能であるとの認識を繰り返し示した。

Fed Chairman Jerome Powell Holds News Conference Following FOMC Rate Decision

記者会見したパウエル議長(12月11日)

  パウエル議長は「3.5%の失業率であっても、実際にはもっとスラック(たるみ)が残されている」と指摘。労働市場を後押しするのに「緩和的な金融政策を活用することに伴うリスクは比較的小さい」と話した。

  こうした発言の政策的な帰結は、今年3回の利下げ実施を受けて景気が加速し、リセッション(景気後退)の確率が低下したとしても、あわてて引き締めに転じることはないということになる。

  実際、金融当局者は2020年いっぱいの金利据え置き見通しを最新の経済予測で示した。堅調な経済を成果として掲げ、20年米大統領選で再選を果たしたいトランプ大統領にとっても、これは朗報と言えるだろう。

No indication of U.S. labor market overheating, Powell says

  パウエル議長は会見の冒頭、8日に92歳で亡くなったボルカー氏に敬意を表し、同氏がFRB議長として2桁インフレを退治し、「われわれが現在享受している繁栄と物価安定の基礎」を築いたと称賛した。

  その上でパウエル議長は、金融当局が直面する課題には当時と今とでは大きな違いがあることに言及した。経済の長期的な健全性にとって、インフレ率は高過ぎるのではなく、むしろ低過ぎるという点だ。

  パウエル議長は、インフレ期待が当局目標の2%を下回っていることを認めた上で、「利上げに転じるのに先立って、インフレ率が大幅かつ持続的に上向くのを目にしたい」と述べた。

  ドイチェ・バンク・セキュリティーズの経済調査グローバル責任者、ピーター・フーパー氏はパウエル議長率いる金融当局について、低い失業率だけを理由に予防的に物価圧力を抑制しようとすることのない、新たな体制に移行しつつあるとの見方を示した。

  アマースト・ピアポント・セキュリティーズのチーフエコノミスト、スティーブン・スタンリー氏は「自分がこれまで見てきた中で、今の金融当局は最もハト派的だ」と指摘。「当局者は下振れリスクを心配して3回利下げした。このようなリスクがなくなっても、引き締めに転じてこれまでの利下げを巻き返すのはインフレが加速した場合に限られるだろう」とコメントした。

  パウエル議長は「以前考えられていたよりもずっと低い水準の失業率でもやっていける」とし、「インフレをあまり心配する必要がなく、現在の労働市場でその恩恵を目の当たりにすることができるため、それは良いことだ」と語った。

原題:Job-Crusader Powell Signals Long Policy Pause Amid Low Inflation(抜粋)

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