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与党が来年度税制改正大綱、税制面から企業に変革を促す

更新日時
  • 発想力や活力あるベンチャー出資に所得控除、取得価額の25%
  • 5Gインフラ普及促進へ、15%の税額控除か30%特別償却

与党の来年度税制改正大綱には、税制面から企業の変革を後押しするため、内部留保をため込む企業にベンチャー企業への出資を通じて事業革新を促したり、経済のデジタル化を支える5G(第5世代移動通信システム)のインフラ整備を税制面から加速させたりする措置が盛り込まれた。12日午後に与党が正式決定した。

  自民党の甘利明税制調査会長は政策責任者会議後の会見で、国際環境の変化に日本企業が対応できるよう税制面での支援策を打ち出したと指摘。特に5G税制は日本がロールモデルとなって欧米をけん引するとの旗を立てたと述べ、税収の大きなプラスマイナスは今回の税制改正ではほぼないと説明した。

Key Speakers At The Mobile World Congress Americas

5G

Photographer: Patrick T. Fallon/Bloomberg

  大綱によると、企業が事業を革新させるためのベンチャー出資に所得控除を導入し、法人税を軽減する。出資に伴い事業会社のビジネスに変革をもたらすことなどが要件で、5年間の報告義務を課し、経済産業相の証明も必要。2020年4月から22年3月末まで2年間の時限措置を想定している。

  また、「イノベーションを持続的・自律的に生み出していくため、企業自身が、保有する内部留保や技術を有効に活用することが求められる」と指摘。税制においても「こうした企業の前向きな行動を後押ししていく必要がある」とした。企業の内部留保は18年度に約460兆円となり、7年連続で過去最高を更新した。

  一方、デジタル経済を支える5Gのインフラ整備を支援するため、企業が投資額の30%の特別償却と15%の税額控除のどちらかを選択できる税制上の特例措置を実施。政府・与党で検討している「特定高度情報通信等システムの普及の促進に関する法律(仮称)」の施行日から22年3月31日までの時限措置とする。

20年度税制改正の主な項目

  • 賃上げも投資も消極的な企業への研究開発税制などの租税特別措置の適用停止を強化
  • 現預金減少狙い導入された接待飲食費特例の対象から大企業除外
  • 企業版ふるさと納税は税額控除割合を3割から6割に上げ5年延長
  • 首都圏から地方移転を促す地方拠点強化税制を見直し・2年延長
  • 所有者不明土地への固定資産税、使用者を所有者とみなし課税
  • 日本酒の輸出用製造免許を新設、一層の輸出拡大図る
  • 子会社株式譲渡で損失を創出させる租税回避に対応する見直し
  • 未婚の一人親に寡婦控除を適用、条件は離婚や死別と同様
  • つみたてNISAを延長し、少額からの積立・分散投資を促進
    (正式決定と甘利自民税調会長の会見内容を追加して更新しました)
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