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Photographer: Akio Kon/Bloomberg
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雨宮日銀副総裁、緩和方向意識した政策運営適当-下振れリスク注意

更新日時
  • 追加緩和、政策の効果と副作用の両方を考慮すること重要
  • 消費増税の消費への影響、前回より小幅にとどまる可能性
The Bank of Japan (BOJ) headquarters stand in Tokyo, Japan, on Tuesday, July 16, 2019. The BOJ would offer support for a government spending package likely to be unveiled in October when a national sales tax is increased, according to a former central bank official.
Photographer: Akio Kon/Bloomberg

日本銀行の雨宮正佳副総裁は12日、岡山市内で講演し、現状は世界経済の動向を中心に経済・物価の下振れリスクに最も注意が必要な局面との見方を示し、当面は緩和方向を意識した金融政策運営が適当と語った。

  雨宮副総裁は、最も警戒している世界経済について、IT関連材の在庫調整の進ちょくなど「持ち直しに向けた兆しが少しずつみられ始めている」としながらも、米中通商交渉の先行き不透明感の強さを中心に「先行きの不確実性には引き続き注意が必要」との認識を示した。

  世界経済を巡るリスクが顕在化し、「世界経済の成長ペースの持ち直し時期がさらに遅れたり、世界経済が一段と減速すれば、わが国経済への影響は避けられない」と指摘。その場合は、2%の物価安定目標に向けたモメンタム(勢い)を構成する重要な要素である需給ギャップが下押しされ、「物価にも相応の影響が及ぶ可能性がある」と語った。

  こうした認識を踏まえた金融政策運営は「当面、緩和方向を意識した金融政策運営が適当」とし、物価のモメンタムが損なわれる恐れが高まる場合には「躊躇(ちゅうちょ)なく、追加的な金融緩和措置を講じる」方針を改めて示した。

  その際には「金融市場や金融仲介機能に及ぼす影響などを含め、政策の効果と副作用の両方を考慮することが重要」と述べ、低金利の長期化が継続する中で、日銀として「金融機関収益の下押しが長期化すると、金融仲介が停滞に向かうリスクや、金融システムが不安定化するリスクがあることを認識している」と表明した。

  10月の消費税率引き上げの影響については、駆け込み需要の反動減で個人消費の落ち込みがみられるものの、その下押し圧力は2014年の前回増税時と比べて「小幅にとどまる可能性が大きい」との見方を示した。ただ、消費増税の影響は「人々のマインドや物価動向などによって変わり得る。引き続き注意する必要がある」とも語った。

  増税後も「企業の価格設定スタンスに大きな変化はみられておらず、消費税を含めたコストを転嫁する動きが続いている」とし、プラスで推移する需給ギャップを背景に「物価安定目標に向けたモメンタムは引き続き維持されている」と指摘。もっとも、2%の物価安定目標の実現には「なお時間がかかる」との見通しを示した。

キーポイント
  • 現状最も注意が必要なのは、世界経済の動向を中心とした経済・物価の下振れリスク
  • リスクが顕在化し、世界経済の成長ペースの持ち直し時期がさらに遅れたり、 世界経済が一段と減速すれば、わが国経済への影響は避けられない
  • 今後も経済・物価の下振れリスクについて注視が必要な局面が続くため、当面、緩和方向を意識した金融政策運営が適当
  • 物価安定の目標に向けたモメンタムが損なわれる恐れが高まる場合には、躊躇なく追加的な金融緩和措置を講じる

  日銀は前回10月末の金融政策決定会合で、現行の金融政策の維持を決める一方、2%の物価安定目標に向けたモメンタムが損なわれる恐れに引き続き注意が必要な情勢として、政策金利のフォワードガイダンス(指針)を修正し、将来の利下げの可能性を明示した。

(第6、7段落に雨宮副総裁の発言を追加して更新しました)
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