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北朝鮮に忍耐試されるトランプ大統領、ロケット試射や侮辱に反応せず

  • 「無謀で一貫性のない老人」とのあざけりにも今のところ動じず
  • 北朝鮮に一層重大な行動を取る口実を与えない狙いか-関係者

北朝鮮が短距離ミサイル実験を実施し、国際的制裁をなし崩しにしても、トランプ米大統領はこの1年を通じ反応を控えてきた。「無謀で一貫性のない老人」という新たな侮辱を受けても無視したが、こうした自制は長続きしないかもしれない。

  北朝鮮は今月末までに大規模な行動に出ることも辞さない構えを示唆し、米国への「クリスマスギフト」として長距離ミサイルの発射や核実験に踏み切る可能性もちらつかせているからだ。

  ヘリテージ財団の北東アジア担当シニアリサーチフェロー、ブルース・クリングナー氏はトランプ大統領のこれまでの反応について、「侮辱を相手にしない人を怒らせることは難しい。大統領は挑発がさらに大きくなっても一線を越えるまでは問題視しないと思う。その後は分からない」と語った。

North Korea US Nuclear Diplomacy

「超大型」ロケット砲の試射を視察した金正恩朝鮮労働党委員長

出典:AP Photoによる韓国中央通信社/韓国ニュースサービス

  北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験や核実験を再開すれば、米朝関係は緊張が高まり軍事衝突の可能性も懸念された2017年当時の状況に戻る事態になりかねない。また、弾劾手続きに直面しながら大統領選挙年に臨むトランプ氏にとっては、外交政策の主要な成果の1つと目するものが台無しになる恐れもある。

  米国が米朝協議の大きな突破口になったと評価するシンガポールでのトランプ大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の会談から1年半。金委員長が核兵器の放棄に近づいていないにもかかわらず、北朝鮮に交渉を迫り続ける価値があるかどうかが大統領の政策判断で鍵を握る。

  北朝鮮がミサイル試射やエンジン燃焼実験を繰り返し、それが国連安保理決議違反であっても、核実験や米国に到達可能な長距離ミサイル発射実験を一時停止するとの自らの約束を金委員長が守る限り、これまでのところトランプ大統領が行動に駆り立てられる状況にない。せいぜい金委員長を「ロケットマン」のあだ名で再び呼び、「米国には史上最強の軍事力があり」、必要なら「それを行使する」と述べるにとどめている。

  米国の戦略に精通している多くの関係者によると、大統領の狙いは、北朝鮮による核兵器放棄の確固たるコミットメントなしでは制裁を緩和しない姿勢を堅持しながら、北朝鮮に一段と重大な行動を取る口実を与えないことだという。

原題:
North Korea’s Kim Tests Trump’s Patience With Rockets, Taunts(抜粋)

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