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「ソニーショック」も記憶の彼方、株価が17年ぶり高値に-半導体好調

  • CMOSシェアは5割超、仏調査会社は市場成長率年8-9%と予測
  • 目標株価1万円のアナリストも、PS5で21年度にゲーム収益改善へ
Inside the CEATEC Consumer Electronics Show
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
Inside the CEATEC Consumer Electronics Show
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

ソニーの株価が17年ぶりの高値を付けた。トップシェアを握る画像センサー(CMOS)など半導体事業が好調で、今後の業績拡大に期待感が高まっているためだ。収益力の低下に多くの投資家が失望した2003年の「ソニーショック」以前の水準に戻したことになる。

  10日の取引で一時前日比1.7%高の7268円まで上昇し、02年5月以来の高値水準を回復した。今年の上昇率は3割を超え、東証1部全体の値動きを示すTOPIXの2倍以上に達している。

ITバブル崩壊以降のソニー株の推移

  ソニー株は、パソコンやゲーム機の成長期待から2000年に1万6590円の史上最高値(分割考慮)を付けたが、ITバブルの崩壊で急落。03年には決算内容の悪化を受けてストップ安が続き、日本株全体が連鎖的に下げる「ソニーショック」を引き起こした。東日本大震災や増資の影響を受けた12年には700円台まで落ち込んだ。

  ソニーの営業利益はゲームや音楽事業の伸びがモバイル事業の不振を吸収し、前期まで2期連続で過去最高を更新した。今期(20年3月期)は3期ぶりの減益を計画するものの、半導体の好調に支えられ、当初の8100億円から8400億円に上振れ、減益率は縮小する見通しだ。

  英調査会社のIHSマークイットが5日に発表した19年7-9月期の半導体企業ランキングによると、ソニーは9位と前四半期の15位から躍進。日本勢で唯一ベスト10に入り、利益の伸び率は最も高かった。

  スマートフォン向けに需要が拡大している同社CMOSの昨年のシェアは50.1%(金額ベース、テクノ・システム・リサーチ調べ)。今上期決算会見での十時裕樹最高財務責任者(CFO)の説明によると、生産は下期もフル稼働を継続し、20年度の生産目標を月13万枚(300ミリウエハー換算)から13.8万枚に引き上げた。

Sony Corp. CFO Kenichiro Yoshida Announces Earnings Figures

  さらに需要増に対応するため、長崎県に工場を新設し、21年4月の量産開始を目指す。スマホの多眼化、大判化の進展が想定以上だという。半導体市場の動向を調査する仏ヨール・ディベロップメントの予測では、19年のCMOS市場は前年比10%増、23年まで毎年8-9%伸びる見通し。

  半導体事業を巡っては、世界的アクティビスト(物言う株主)のダニエル・ローブ氏が6月、エンターテインメント分野への注力を求め、半導体事業のスピンオフ(分離・独立)を要求。これに対しソニーは9月、人工知能(AI)や自動運転分野での需要増加が見込めるとし、拒否した。

  JPモルガン証券の綾田純也アナリストは11月28日に投資判断を「中立」から「オーバーウエート」に、目標株価を5800円から1万円に見直した。CMOSを含む同社のイメージング&センシング・ソリューション部門は「多眼化・高精細化・大口径化のトリプルメリットを背景に、年率30%強の増益」を予想する。

  また、来年末の商戦に新機種「プレイステーション(PS)5」が投入されるゲーム事業も21年度の増益転換を想定し、映画や音楽事業の投下資本利益率(ROIC)の向上も続くとの見方を示した。

  みずほ証券の中根康夫シニアアナリストも投資判断「買い」を継続し、目標株価を8400円から9900円に上げた。スマホカメラの複眼化、センサー大型化の勢いはさらに強まっており、「特に大型化の収益への好影響が十分に認識されていない」と分析。CMOSの持続的な収益拡大が可能で、株価は依然割安だとみている。

ソニー担当アナリストによる投資判断と目標株価(9日現在)

JPモルガン          「オーバーウエート」  1万円

クレディ・スイス        「アウトパフォーム」  9300円

みずほ             「買い」        9900円

大和              「買い」        8300円

モルガン・スタンレーMUFG  「イコールウエート」  7300円

マッコーリー          「アウトパフォーム」  7430円

SMBC日興          「アウトパフォーム」  8600円

三菱UFJモルガン・スタンレー 「オーバーウエート」  9400円

野村              「買い」        9000円

ゴールドマン・サックス     「買い」        8600円

ジェフリーズ          「買い」        8440円  

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