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出光:脱石炭に向けた戦略の検討に着手-環境問題の高まり受け

  • 石炭開発事業を「未来永劫やろうとは思っていない」:木藤社長
  • 発電用燃料と鉄鋼原料として代替が難しいため当面は事業継続

オーストラリアなどで石炭鉱山開発を手掛ける出光興産は、同事業から撤退するための中長期的な戦略の検討に着手した。環境・社会・企業統治(ESG)が重視される中、海外の資源大手や日本の金融機関、総合商社などが脱石炭の方針を打ち出しており、石炭事業からの撤退や縮小に向けた動きが相次いでいる。

Idemitsu Kosan Co. Gas Stations and Headquarters As The Merger With Showa Shell Is In Danger

出光のガソリンスタンドのロゴ

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  出光の木藤俊一社長は4日のブルームバーグのインタビューで石炭鉱山事業について「未来永劫(えいごう)やろうとは思っていない」と述べ、中長期的な観点からの出口戦略を検討していることを明らかにした。短期的には安価な発電用燃料と鉄鋼原料としての石炭を代替するのは難しいことから、二酸化炭素(CO2)の排出削減に取り組みながら供給することが重要との考えも示した。

  石炭事業に対する投資家の視線が厳しさを増す中、世界最大の鉱山会社BHPグループは同事業の売却を検討するほか、英豪資源大手リオ・ティントは既に撤退を完了させている。

  国内でも三井物産が発電用石炭事業には新規投資を行わない方針を示すなど大手商社の間でも脱石炭の動きは広がっている。金融業界では三菱UFJフィナンシャル・グループ三井住友信託銀行が新規の石炭火力発電所への融資は原則として行わない方針を明らかにしている。

  木藤氏は「中長期的な観点から石炭のイグジットを考えてるかという質問に対しては、かなり検討している」とし、「未来永劫石炭ということにはならない。地球環境問題の高まりを考えればそうなる」と述べた。その上で、石炭を購入する需要家や鉱山従業員への影響なども考慮する必要があると述べた。

  出光が11月に発表した中期経営計画で、2022年度の石炭生産量は19年度比5.1%増の約1300万トンになると想定。前提条件として、豪州の主要積み出し港ニューカッスル港での石炭価格が22年度に1トン当たり72ドルと、同4.6%下落すると予想した。石炭価格は、消費国で液化天然ガス(LNG)など環境負荷の低い電源への移行が進んでいることなどから年初から約35%下落している。

その他の木藤氏の発言:
  • 昭和シェル石油との経営統合で取得した太陽光パネル事業は、完全撤退を含めゼロベースで見直しを行った
    • 過去数年赤字が続いていたものの、生産体制の見直しなどで19年度は収支トントンの水準まで改善することを見込む
  • 35.1%出資して昨年11月に商業運転を開始したベトナムのニソン製油所は産みの苦しみを味わっている
    • 19年度は不具合などにより稼働率が低迷し、シンガポールの製品市況悪化も重なった
    • 不具合の補修を行い間もなく稼働を再開する予定
    • 来年度は若干市況が改善すると予想しており収支はブレークイーブンを見込む
  • 国内では同社の石油製品販売量が生産量を上回る状態が20年代半ばまでは続くと見込んでおり、それまでは製油所の統廃合は必要ない
    • 出光グループの製油所は二次装置の分解能力が高く、国内の他の製油所に対し競争力がある

  

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