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【先週の新興国市場】通貨・株上昇、米中合意への楽観でリスク選好

  • 米中は第1段階合意の関税巻き戻し幅で妥結に近づく-関係者
  • アジア諸国の景況感改善も力強い回復の兆しはほとんどなし

先週の新興国市場では通貨と株式の指数が4週間ぶりに上昇。週初にはブラジルとアルゼンチンの鉄鋼とアルミニウムに追加関税を課すとのトランプ米大統領の表明で貿易摩擦への懸念が高まったが、その後、米中交渉が「順調に進んでいる」とのトランプ氏の発言や、中国が報復関税の免除申請の処理手続きを開始したことを受け、第1段階の米中合意に対する楽観ムードが優勢となった。

  12月6日終了週の新興国市場の主なニュースは以下の通り。

主なニュース:

  • トランプ大統領は、中国との貿易協議で年内に第1段階の合意取りまとめを見込んでいるかと問われ、「期限はない」と発言。大統領選挙が行われる2020年も経済関連の対外交渉で関税を活用する姿勢を金融市場に再認識させた
    • 12月15日の追加関税発動については「いずれ分かる」と述べ、「何かが起こるかもしれないが、まだそれについて議論していない」とした
    • 米中は第1段階の貿易合意に盛り込む関税の巻き戻し幅で妥結に近づいていると、関係者が述べた
    • 米中は中国による米国産農産品の購入額で合意を目指し、協議を進めていると、クドロー米大統領国家経済会議(NEC)委員長は述べた
    • トランプ大統領は、自身が署名し成立した香港人権法により、対中貿易合意を取りまとめる取り組みが難しくなり得ると示唆
    • 中国は米国の非政府組織(NGO)の一部に制裁を科し、米海軍艦船の香港寄港を停止すると発表。米国で香港人権法が成立したことに対する初の報復だが、貿易に関連する措置は控えた
    • 中国は国内企業が輸入する米国産大豆・豚肉への報復関税について、免除申請の処理手続きを開始
  • トランプ大統領はブラジルとアルゼンチンから輸入する鉄鋼とアルミニウムに追加関税を課すと表明し、両国への適用除外方針を転換
  • インド準備銀行(中央銀行)は、予想に反して政策金利であるレポ金利を5.15%に据え置いた。インフレ率がここ1年余りで初めて中期目標を上回ったことを考慮
  • 北朝鮮は、米国が受け取る「クリスマスプレゼント」は同国が協議のテーブルに何を持ってくるかに左右されるとして、トランプ政権に対し非核化交渉でより良い提案を行う期限は年末だとあらためて指摘
    • トランプ大統領は、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長を久々に「ロケットマン」と自ら付けたあだ名で呼ぶとともに、北朝鮮に対する武力行使の警告も再開
  • サウジアラムコが新規株式公開(IPO)を実施し、過去最高の256億ドル(約2兆7840億円)を調達。企業価値は1兆7000億ドルと評価された。応募額は1190億ドル
資産別指数(ニューヨーク時間6日午後4時20分現在)週間
MSCI新興市場指数+0.9%
MSCI新興国通貨指数+0.1%
ブルームバーグ・バークレイズ新興市場の自国通貨建て国債指数+0.1%

アジア:

  • 財新伝媒が発表した11月の中国製造業購買担当者指数(PMI)は51.8に上昇。その他アジア諸国の景況指数も改善したが、力強い回復の兆しはほとんどない
  • 香港の事業環境見通しが11月に一段と悪化。抗議活動が続きマクロ経済を巡る展望が不安定になる中でリセッション(景気後退)入りしている

EMEA:

  • 南アフリカ共和国の7-9月(第3四半期)の経常赤字は予想ほど縮小しなかった。外国人株主への資金流出が増加した

中南米:

  • ブラジル第3四半期GDPの伸びが市場予想を上回った。民間投資と農業を中心とした経済活動の拡大が政府支出の減少分を十二分に埋め合わせた
  • ブラジルとチリでは食料価格の上昇で11月のインフレ率が押し上げられた
今週発表のデータ
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原題:EM Review: Renewed Trade Deal Hopes Supported Risk Appetite(抜粋)

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