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原田日銀委員、政府が経済対策でも日銀は追加緩和考える必要ない

更新日時
  • 現行の低金利維持で、経済対策と相乗効果得られる
  • 任期中の物価目標未達は残念、緩和の副作用「小さい」

日本銀行の原田泰審議委員は5日、大分市内で記者会見し、政府が策定中の経済対策に合わせ、日銀が特に追加緩和を考える必要はないとの見解を示した。

  財政支出が13兆円程度となる政府の経済対策について、原田委員は「現在の金融緩和政策との相乗効果で、政府の経済対策の効果も日銀の金融緩和政策の効果も高まる」と説明した。

  その上で、政府の経済対策と足並みをそろえた追加金融緩和の可能性を問われ、「現在のイールドカーブコントロール(YCC)政策の下で、金利を維持していること自体において相乗効果が得られる」と指摘。現在の環境に大きな変化がなければ、日銀は「政府が財政を拡大するだけであれば、現在の政策を続けているだけでいい。特に追加的なことを考えなくても大丈夫」と語った。

原田委員の午前の講演に関する記事はこちらをご覧ください

  原田委員は低金利の長期化で金融機関経営が困難さを増していることについて「集まったお金を十分に運用する機会がないことが主因」と指摘。「過去にデフレから脱却できなかったことでデフレが続き、その結果、低金利になっている」とし、金融緩和の副作用が全くない訳ではないが「小さい」との見方を示した。

  長期金利をゼロ%程度に維持する下で、日銀の国債買い入れ額は減少を続けている。原田委員は「イールドカーブコントロールになった時点で量がある程度縮小することはあり得ると考えていた」と説明。足元の購入ペースが年間保有増加額80兆円の「めど」を大きく下回ることとの整合性については、YCC導入で操作目標が量から金利に移行し、「景気が悪くなると金利は下がるが、その時に名目金利が下がることによって十分な金融緩和をしている、という誤った政策をとらないためにも量は必要」との見解を示した。

  一方、長期金利がマイナス圏での推移を続けていることに関しては、「あまりにも長期のところがマイナスになるのは望ましくない」と語った。

  来年3月に任期満了となる原田委員は、「私の任期の5年間で物価が2%になっていないのは大変残念」とし、「目標を達成できそうにないことは申し訳なく思っている」と語った。もっとも、物価2%目標を掲げ続けたことで経済が好転したとし、2%にこだわらなければ失業率低下を受けて金融緩和を止めていた可能性があると指摘。その場合は「デフレに戻ったと思う」とし、「現在の政策を続けていくことによって、2%に向かっていくことは十分に可能」との見解を示した。 

(原田委員の発言を追加して更新しました)
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