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米国外の銀行によるドル融資、金融システムへのリスク-ダブルライン

  • 為替スワップ利用について、コスト高で時には信頼性が低い-IMF
  • ドル資金仲介の役割で欧州の銀行後退、カナダと日本の銀行が埋める

1470億ドル(約16兆円)を運用するダブルライン・キャピタルは、米国外の銀行による米ドル建て融資が世界の金融システムのリスクを高めつつあるという国際通貨基金(IMF)の見解に同意した。

  米国外の銀行は融資需要を満たすのに十分なドルがない。米国の銀行と異なり安定してドル建て預金を集めることができないからだ。そこで、米国外の銀行は借り手の需要を満たす最終手段として為替スワップを利用するが、IMFはそれについて、コスト高で時には信頼性が低いと指摘している。

  問題は、この複雑な取り決めにおいてボラティリティーの高まりによってドル資金が枯渇するなどの事態が起きると、世界経済に打撃を与える可能性があることだとダブルラインは分析する。通常の状況下なら、外為トレーダーはスワップによって米国以外の通貨を素早くドルに転換できる。しかし、9月に起こった米レポ市場の混乱は、状況が急速に悪化し得ることを示した。

  ダブルラインのポートフォリオマネジャー、ビル・キャンベル氏は「米国外の銀行によるドル貸し出し活動の増加は次の景気後退のきっかけにはならないかもしれないが、間違いなくそれを加速させる要因にはなる。当社は注視している」と述べた。

  海外での投資と資金の受け取りでは依然、米ドルが多用されている。ドル不足は今に始まったことではないが、米国外の銀行は混乱に対してより脆弱(ぜいじゃく)になりつつある可能性があると、IMFが10月の金融安定報告で指摘した。

  IMFが26の先進・新興市場について実施した分析によると、ドル建ての資産と負債の差は2008年の約1兆ドルから近年は1兆4000億ドルに拡大している。これは、米国外の銀行が為替スワップを使って埋めなければならないドル資金の規模を示すという。

  IMFの報告によると、欧州の銀行はここ10年にドル資金仲介の役割を縮小させており、日本とカナダの銀行がその役割を務めるようになっている。

原題:DoubleLine Sees Risk ‘Accelerant’ in Dollar Loans Outside U.S.(抜粋)

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