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アルツハイマー治療の将来を左右か-バイオジェンが5日に注目の発表

  • エーザイと共同開発のアデュカヌマブ、詳細な治験結果を公表へ
  • 試験中止発表の7カ月後、一転して来年の承認申請目指すと表明

バイオジェンとエーザイは3月、共同開発しているアルツハイマー病治験薬アデュカヌマブの第3相試験を中止すると発表し、研究者らを驚かせた。主要評価項目が達成される可能性が低いことを理由に挙げた。その7カ月後には一転して、2つの第3相試験の少なくも1つで症状悪化を抑制する効果が新たな解析で示されたとし、来年の早い段階の新薬承認申請を目指すと表明した。

  バイオジェンの研究者は5日、サンディエゴで開かれるアルツハイマー病臨床試験会議(CTAD)の特別セッションでこれら治験の詳細な結果を発表する。製薬業界および多くの患者とその家族の将来は、この結果に大きく左右される可能性がある。

  アルツハイマー病の原因については数十年前から研究者の間で議論が続いている。多くの製薬会社は潜在的な原因物質の1つであるアミロイドと呼ばれるタンパク質を標的としてきたが、開発はうまくいっていない。治療法を見つける試みはこれまでに約200の失敗例がある。

  バイオジェンのデータが説得力を持つものであれば、アルツハイマー病の進行を遅らせる初の治療薬としての米食品医薬品局(FDA)承認に道が開かれる可能性がある。また、同様の医薬品を手掛ける企業の治験継続や投資家からこの分野への資金注入を促し、アミロイドをベースとする他の医薬品の復活につながるかもしれない。

  ただ発表の結果、懐疑的な見方が広がれば、FDAの対応が厳しいものになる予兆となり得る。また研究者は他の潜在的な原因物質をターゲットとする医薬品開発の取り組みを強化する必要が出てくる。

追加試験を求められる可能性も

  バイオジェンが公表するデータは2つの未完了の試験に基づくため治験結果の解釈は難しい。未完了なのは3月に治験を中止したためだ。

  1600人の医師や脳科学者が集まる今回の会議では安全性に関するより詳細なデータなどが注目点となる。また2つの極めてよく似た治験の結果がかなり異なる理由についてもバイオジェンから一段と説得力のある説明が期待されている。

  ネバダ大学(ラスベガス)の神経学者、ジェフリー・カミングス氏は、FDAに承認されるかどうかは「五分五分」とみているとし、データの曖昧さを踏まえ、FDAは試験を不十分と判断して追加試験を要求する可能性があると指摘した。ただ、承認を求める「世論の強い圧力」が予想されるため、FDAが条件付き承認に傾くこともあり得るとした。

原題:
It’s Make or Break for Alzheimer’s Drug in Biogen Data Reveal(抜粋)

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