野村、国内リテール収益は回復基調に―11月は今期最高
谷口崇子、中道敬-
永井CEOが都内で機関投資家向け説明会を開催
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EPS100円の目標は60円程度からの積み上げ難しい状況-永井氏


野村ホールディングスは3日、国内リテール事業を担う営業部門の収益は10月、11月と回復基調にあり、11月の同部門の収益は今期(2020年3月期)の中で最高を記録したと発表した。

国内リテールは回復基調に
Photographer: Yuriko Nakao/Bloomberg
永井浩二グループCEO(最高経営責任者)が同日、都内で機関投資家向け説明会を開催し、事業戦略などについて語った。野村HDの4-9月期の連結純利益は1944億円(前年同期は60億円の赤字)と大幅に改善したものの、営業部門の税前利益は同58%減の134億円と苦戦していた。
20年3月期に1株当たり利益(EPS)を100円まで引き上げるとしていた経営目標については、特殊要因を除いたEPSは60円程度を確保しているとした上で「そこからの積み上げが難しい状況に直面している」との認識を示した。
先月にライセンスを取得した中国での証券事業については、まず富裕層向けビジネスから参入し、21年から22年にかけて機関投資家向けビジネス、23年以降に投資銀行業務も手掛ける方針を示した。人員は500人程度までの拡大を見込む。
また、デジタルを含む技術革新を社内各部門に取り入れるために4月1日付で設置した未来共創カンパニーの人員は、外部の専門人材も積極的に登用するなどして総勢80人となり、体制整備は完了したという。同カンパニー主導で新たなスマートフォン向けアプリを開発しており、20年中に提供を予定している。
行動規範も策定
野村HDは同日、役職員が守るべき行動規範を公表した。インサイダー取引や相場操縦の防止を改めて呼びかけるなど高いコンプライアンス意識を求めている。永井CEOは説明会で「行動規範は作ったら終わりでなく、しっかり組織に浸透させていきたい」と言及した。同社は5月、東京証券取引所の株式市場再編に関する情報を不適切な方法で漏えいしたとして、金融庁から業務改善命令を受けている。
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