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【先週の新興国市場】通貨と株が3週連続で下落、中南米の緊張などで

  • トランプ大統領が香港人権法案に署名、中国は報復を表明
  • チリ、コロンビア、ブラジルの通貨が最安値-ブラジル中銀が介入

先週の新興国市場では、MSCIの通貨と株式の指数がいずれも3週連続で下落。11月月間でも下げた。中南米で政治的な緊張が高まり、米中の貿易戦争が解決されていないことから新興国資産への需要が減退した。ブラジル・レアルとチリ・ペソが最安値を更新し、両国中央銀行の介入を招いたほか、反政府デモが広がるコロンビアでも通貨ペソが最安値圏で推移した。

  11月29日終了週の新興国市場の主なニュースは以下の通り。

主なニュース:

  • トランプ米大統領は香港人権法案に署名した。これにより米中関係の緊張が高まり、貿易戦争の収拾を目指す同大統領の取り組みは一段と複雑となる見通しだ
    • 中国外務省は報復措置を取るとあらためて表明したが、具体策は明らかにしなかった
    • 香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は区議会(地方議会)議員選挙での民主派圧勝を踏まえ、政府に対する有権者の不満を認め、抗議参加者に対して平和的な対話を呼び掛けたものの、新たな譲歩は一切示さなかった。このため、今後も騒乱と暴力が続く恐れがある
  • トランプ大統領は26日、中国との第1段階の貿易合意に向けた協議について、完了に近いと述べた。両国の交渉担当者はこれに先立ち電話会談を行った。大統領は「われわれは極めて重要な取引の最後の難所にある」と語った
    • 中国商務省の発表によると、劉鶴副首相とムニューシン米財務長官およびライトハイザー米通商代表部(USTR)代表は電話会談を行い、重要問題を話し合った。会談内容の詳細は明らかにしていない
    • 中国と米国は第1段階の貿易合意に「非常に近い」と、中国共産党機関紙・人民日報系の新聞、環球時報がツイッターで伝えた。中国政府に近い匿名の専門家を引用
  • チリ・ペソ、コロンビア・ペソ、ブラジル・レアルはそれぞれ最安値を更新した
    • ブラジル中銀は為替市場に介入。市場は機能していないとし、必要に応じてさらに介入する方針を表明した
    • チリ中銀も介入プログラムを発表。通貨スポット市場で最大100億ドル、通貨ヘッジでも最大100億ドルを売却する
資産別指数(ニューヨーク時間29日午後4時20分現在)週間11月
MSCI新興市場指数-0.8%-0.2%
MSCI新興国通貨指数-0.1%-0.5%
ブルームバーグ・バークレイズ新興市場の自国通貨建て国債指数(28日まで)-0.1%-0.4%

アジア:

  • 中国が3年連続で発行するドル建て債に対する需要は強かったものの、貿易戦争を背景に米国の投資家はおおむね敬遠した。今回の60億ドル(約6550億円)相当のドル建て債に対する最終注文は165億ドル超。昨年発行した30億ドルのドル建て債に対する注文は132億ドルだった
  • 北朝鮮は2発の短距離弾道ミサイルを発射。より飛行距離の長いミサイル発射も計画している可能性があり、トランプ政権が年末までに譲歩しない限り、核協議から撤退すると警告して圧力を強めている

EMEA:

  • トルコは新しく購入したロシア製ミサイル防衛システム「S400」の一部を試験。米国との対立がエスカレートし、対トルコ制裁の発動につながる恐れがある
  • 南アフリカ準備銀行(中銀)のナイドゥ副総裁は、ムーディーズ・インベスターズ・サービスが同国の信用格付けをジャンク(投資不適格)級に引き下げた場合、 50億-80億ドル相当の南ア債売りにつながる可能性があると述べた

中南米:

  • ブラジル中銀の介入は市場にとって意外だった。中銀総裁と経済相は前日、市場に為替相場を委ねることに不満はないと発言していた
  • チリ・ペソは29日に反発した。中銀の介入表明が奏功した。ただ、デモや略奪は続いている
今週発表のデータ
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原題:EM Review: Hong Kong Bill, Latin America Rout Dented Risk Taking(抜粋)

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