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日産内田新CEO「顧客第一をすべてのベースに」-新体制で会見

更新日時
  • 異論や反論が許される会社風土をつくり、透明性高い会社に-内田氏
  • ミラクルのようなV字回復は非現実的、本質的な改善を-アナリスト

日産自動車の内田誠社長兼最高経営責任者(CEO)は2日、新経営体制の発足後初の会見を開いた。顧客第一への姿勢への回帰など今後の日産が進むべき方向性を示し、カルロス・ゴーン前会長の逮捕後、混乱が続く会社の立て直しに全力で取り組む考えを示した。

  内田氏は2日の横浜市内の本社での会見で、ゴーン前会長の経営戦略などに誤りがあったとは思わないとした上で、「できないことをできると言わせてしまう文化をいつの間にか作り上げてしまった」と説明。尊重、透明性、信頼をキーワードに異論や反論が許される会社風土をつくり、権限委譲を進めることで「ワンチームの風土を醸成し、社員にとって透明性の高い業務運営」を心がけると述べた。

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会見する内田新社長

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  計画通りにしっかりと新車開発を行って魅力的な車を提供し続ける体制を作り、「お客様第一を全ての日産の企業活動の根幹に戻す」と決意を述べた。西川広人元社長の下で公表された中期経営計画については業界の状況を踏まえ、日産として何ができるかを社内で議論した上で、しかるべきタイミングで説明したいと話した。

  筆頭株主である仏ルノーとのアライアンスについては日産の強みの一つであるとの認識を示し、「会社の独立性を保持しながら活動を進めたい」と話した。アライアンスでやることはお互いの会社にメリットがないといけないし、資本提携に関する話は現時点では一切していないと述べた。

  日産の専務執行役員で中国・東風汽車との合弁の総裁を務めていた内田氏は1日付でCEOに就任した。代表執行役兼最高執行責任者(COO)に三菱自動車からアシュワニ・グプタ氏、副COOには日産の関潤氏が就任し、内田氏と共に三頭体制で経営を担う。

  会見でグプタ氏は、日産を取り巻く環境は厳しいとの認識を示した上で、「新たなチャレンジはいつでもウェルカム」と述べた。関氏はものづくりや販売の現場と経営層に大きな隔たりを作ってしまったとし、是正に取り組む意向を示した。

お手並み拝見

  新経営陣にとって喫緊の課題が低迷する業績の立て直しだ。主力の米国市場では販売奨励金の削減などの取り組みにより販売台数が減少したほか、世界景気の減速や欧州の環境規制などの影響により同社は先月、2020年3月期の業績見通しを下方修正した。

業績低迷に伴い株価下落

  ブルームバーグ・インテリジェンスの吉田達生アナリストは「業績がミラクルのようにV字回復するのは非現実的。V字回復を『演出』することはプラスよりもマイナスの影響が大きい」とし「大事なことは、本質的な改善に会社が進むこと」と述べた。  

  同社は7月に1万2500人規模の人員削減を実施する方針を明らかにしているが、業績低迷を受けて今後追加のリストラや生産能力削減を迫られる可能性もある。

  内田氏ら新経営陣が直面するもう一つの課題がアライアンス相手のルノーとの関係の見直しだ。ルノーは日産株の43.4%を保有する一方、日産はルノー株15%を保有しているものの議決権はない。ルノーは今年春以降、日産への統合を求めたが日産は拒否。その後も資本構成を巡る話し合いは進んでおらず、着地点を見つけられないままだ。

  SBI証券の遠藤功治シニアアナリストは会見前の取材に、内田氏も関氏もゴーン時代から幹部として経営に携わってきた人物だとし期待が持てるかは分からないとした上で、新車効果など徐々に上向いてくるのも確かで、少なくとも1年ぐらいは「お手並み拝見」といったところだと述べた。

(会見での内田氏らのコメントを追加して更新します.)
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