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7~9月の全産業設備投資は12期連続プラス-売上高は3年ぶり減

更新日時
  • 全産業の設備投資は7.1%増-製造業は6.4%増、非製造業は7.6%増
  • 売上高は16年7-9月以来のマイナス、経常利益は2期連続マイナス

財務省が2日発表した法人企業統計によると、2019年7-9月期の全産業(金融・保険を除く)の設備投資は前年同期比7.1%増と12四半期連続でプラスとなった。自動車や通信機器向け電子部品の生産能力増強や卸売業の物流施設の新設などが寄与し、市場予想を上回った。一方、売上高は製造業、非製造業ともに減収で16年7-9月以来のマイナスに転じた。

キーポイント

  • 設備投資額は前年同期比7.1%増の12兆826億円(ブルームバーグ調査の予想中央値は5.0%増)-前期は1.9%増
    • 製造業は6.4%増の4兆3325億円、非製造業は7.6%増の7兆7501億円
  • 国内総生産(GDP)改定値に反映されるソフトウエア除く設備投資は同7.7%増の10兆9257億円(予想は4.4%増)-前期は1.7%減
  • 全産業の売上高は同2.6%減の349兆4974億円-前期は0.4%増
  • 全産業の経常利益は同5.3%減の17兆3232億円-前期は12%減

                 

全産業設備投資は12期連続プラス

           

エコノミストの見方

バークレイズ証券の前田和馬エコノミスト:

  • 設備投資は多少弱さはあるが全体的にはしっかりしている。企業は人手不足に直面しており省力化投資やソフトウエア投資の必要がある
  • 世界景気は足元弱く、増税後に消費が弱さをみせるなか、設備投資と公共投資が日本経済のけん引力になっている
  • 日本銀行が今日の数字をもって景気の見方を変えることはないだろう。喜ぶような数字でもないが、設備投資が悪化せずしっかりしていること自体は安心材料
  • 恐らく企業の設備投資は緩やかに続くとみているが、来週発表の日銀短観で確認したい

第一生命経済研究所の新家義貴主席エコノミスト

  • 7-9月期の設備投資に関しては大きな心配はなく、内需が崩れているという感じはない
  • 非製造業の方が慣らしてみるとちょっと強い。省力化投資とか建設投資とかが押し上げに効いていると思う
  • 利益が出てない中で設備投資はなかなか難しい。利益の頭打ちが先行き設備投資に効いてくる可能性はある

詳細

  • 設備投資
    • 製造業は2期ぶり増。情報通信機械は自動車や通信機械向け電子部品の生産能力増強投資、生産用機械は新工場建設など生産能力増強-財務省担当者
    • 非製造業は12期連続増。卸売業は物流施設の新設、小売業は既存店舗の改装、不動産業は都市部中心にオフィスビル増-財務省
  • 売上高
    • 製造業は2期連続減。海外要因が大きく寄与。情報通信機械は中国経済の減速により産業機械やスマートフォン向け電子部品が減少、金属製品は中国市場の減速や米中貿易摩擦の影響で半導体設備関連の需要が減少-財務省
    • 非製造業は12期ぶり減。大きく寄与したのは卸売業で、原油安に伴い石油製品や化学製品など下落。建設業は賃貸住宅建築の減少や前年の大型案件の反動減-財務省
  • 経常利益
    • 製造業は5期連続減。5G関連投資によるコスト増響く、輸送用機械は自動車関係で研究開発費などのコスト上昇や円高による為替差損増。生産用機械は海外中心に建設機械や半導体製造装置の販売減が大きかった-財務省
    • 非製造業は2期ぶり増。建設業は都市部中心に大型開発案件堅調で利益率も向上、小売業は家電販売の増加や販売管理費のコスト削減。マイナス寄与は情報通信で、スマホプランの変更に伴う通信料収入の減少-財務省
    • 7-9月としては過去3番目の高水準

背景

  • 7-9月期の実質GDP速報値は4四半期連続のプラス成長。海外経済の減速で外需が2四半期連続でマイナスに寄与した一方で、消費増税前の駆け込み需要を受けた個人消費など内需が全体を下支えした。改定値は9日に発表
  • 10月公表の日銀短観によると、全規模・全産業の土地を除いた19年度の設備投資計画は前年度比5.3%増と、前回調査から0.4%ポイント減速
  • 政府は11月の月例経済報告で、国内景気の総括判断を「景気は輸出を中心に弱さが長引いているものの、緩やかに回復している」を維持。設備投資については「機械投資に弱さもみられるが、緩やかな増加傾向にある」に据え置く一方、企業収益は「製造業中心に弱含んでいる」に下方修正
(詳細とエコノミストコメントを追加して更新しました)
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