日本株は続落、アジア株安で投資家心理悪化-輸出や商社安い
長谷川敏郎
更新日時
-
米国株先物は時間外で軟調推移、香港ハンセン指数は2%超下落
-
ユーロ圏景況感指数は改善、東証1部売買代金は3日連続2兆円割れ
29日の東京株式相場は続落。米国株市場の休場などで手がかり材料に乏しい中、アジア株安で投資家心理が悪化し輸送用機器や精密機器など輸出関連、商社、建設株が下げた。
|
〈きょうのポイント〉

東証ロゴ
東洋証券の大塚竜太ストラテジストは「買い手がかりがない中、香港ハンセン指数が大きく下がり米中通商協議が楽観できないとの見方や上値の重さから利益確定売りが重なっている」と述べた。
米国の香港人権法案にトランプ大統領が署名した後、中国側からただちに極端な反応が出なかったことから、朝方はやや買いが先行。しかし、米S&P500種Eミニ先物が軟調に推移して下落に転換、香港ハンセン指数の大幅安で午後はじりじりと下げ幅を広げた。
三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジストは、「日経平均2万3500円近辺で上値が重い状態が続いている。そこを抜けるには米中に関する進展などのニュースが出てこないと難しい」とみる。米国株休場の影響もあって東証1部売買代金は1兆7571億円と3日連続で2兆円を割り込み、買い手控えムードが強かった。
もっとも、景気が回復していく中で先高期待は衰えていない。みずほ証券の倉持靖彦投資情報部長は「日本以上に輸出依存度の高いドイツを抱えるユーロ圏景況感指数の改善は、世界経済がボトムを打ちつつあることを示す非常に重要な動き」と評価。米中通商交渉についても「電話での協議は続いており、12月15日の対中追加関税は見送りになりそうとの見方がある」と話していた。

- 東証33業種では、輸送用機器や鉄鋼、建設、精密機器、卸売、海運が下落
- 鉱業や証券・商品先物取引、パルプ・紙は上昇
最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
LEARN MORE