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日銀の黒田総裁、自然災害リスクが金融機関の大きな課題となる可能性も

更新日時
  • 自然災害、資産価格の下落や担保価値の毀損につながる可能性
  • 若田部副総裁、業務継続体制の整備は重要な経営課題
黒田東彦総裁

黒田東彦総裁

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
黒田東彦総裁
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

日本銀行の黒田東彦総裁は28日、都内で開かれたパリ・ユーロプラス主催の会合で講演し、金融安定に関する新たな論点として気候関連リスクに言及、自然災害が「資産価格の下落や担保価値の毀損(きそん)につながる可能性、関連リスクが金融機関の大きな課題となる可能性もある」として、その影響について十分な調査・分析の必要があるとの考えを示した。

  黒田総裁は、気候関連リスクの特徴として「他の金融上のリスクに比べて長い期間にわたって効果が持続するという長期的な影響があり、その影響がとても予見しにくいという問題もある」と指摘。規制や監督上の対応を求められる場合、「フォワードルッキングな視点で制度を設計し、着実に実行し、効果と副作用を評価し、必要ならばどんな問題にも対処することを注意深く実行していくべきだ」と語った。

  さらに、「産業政策や環境規制・ガイドラインが、こうしたリスクへの対応としてどの程度効果的か、念頭に置いておく必要がある」とし、産業セクターと金融セクターの間で連携する余地があるとの認識も示した。

  総裁は、日銀が気候変動を巡る論点に関する中央銀行・金融監督当局による国際的な議論の場である「気候変動リスク等に係る金融当局ネットワーク(NGFS)」のメンバーに加わったことを紹介し、「他の参加機関とともに今後の議論に貢献していく」と語った。

  若田部昌澄副総裁も同日、自然災害の発生が金融市場・金融機関に与える影響をテーマに名古屋市で開かれたシンポジウムに出席。金融機関にとって「コンピューターシステムの障害を含めて、災害に備えた業務継続体制の整備は経営上の重要な課題」と指摘。日頃の訓練などを通して「業務継続体制を繰り返し見直し、改善していく」ことや、関係機関との協力の重要性などを指摘した。

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(若田部副総裁の発言を最終段落に追加して更新しました)
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