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中国が豪州で工作活動との報道相次ぐ-両国間の緊張高まる

  • 中国外務省は豪メディアの報道を「奇妙」だとして否定
  • 安全保障の脅威となる敵対的な外国の情報活動続く-豪ASIO長官

オーストラリアの情報機関が、国内で中国による工作活動が行われ、連邦議会もその標的になっているとの疑惑を調べており、両国間の緊張が高まっている。

  エイジ紙など多くの豪メディアは週末、中国の工作員として働いていた王力強氏が香港で軍事情報を担当する高官や香港と台湾、豪州での政治干渉活動に関する秘密情報の提供と引き換えに、政治亡命を求めていると報じた。  

  また、ナイン・ネットワークは中国の工作員とみられる複数の人物がメルボルンの高級車ディーラー、ボー・ニック・チャオ氏に100万豪ドル(約7400万円)を渡し、議会選挙に立候補するよう促したと24日に報道。豪治安情報局「ASIO」に接触した同氏はその後、メルボルンにあるホテルの一室で遺体となって発見されたと伝えた。チャオ氏は32歳だった。

  中国外務省の耿爽報道官は北京での25日の記者会見で、こうした疑惑は「奇妙」だとして、豪メディアの報道を否定。上海警察は23日遅く発表した声明で、「自称中国スパイ」だという26歳の王氏は詐欺疑惑で捜査対象となっており、中国・香港籍を示す書類は偽造されていると主張した。

  豪政府は昨年、中国による内政干渉を阻止することを狙った法律を成立させ、安全保障上の理由から華為技術(ファーウェイ)が第5世代(5G)移動通信機器を豪州の通信事業者に提供することをじた。

  豪州の議会や主要大学に対する一連のサイバー攻撃も中国によるものだとされているほか、中国政府が米州にも触手を伸ばそうと南太平洋での軍事基地建設を検討しているのではとの懸念も強まりつつある。

  モリソン豪首相は25日、「外国の干渉から豪国民を安全に守るため政府はこれまで以上に強く決意している」と表明。その上で「こうした問題を巡り結論に飛び付く動きには警告する」とも語った。

  ASIOのバージェス長官は「わが国と国家安全保障にとって真の脅威となる敵対的な外国の情報活動が継続している」と指摘し、ASIOは「豪州内における外国の干渉とスパイ活動に立ち向かい対抗し続ける」と述べている。

原題:China Spy Claims Deliver New Hit to Damaged Australia Relations(抜粋)

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