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日立化売却で昭電工が優先交渉権、TOBで株式取得へ

更新日時
  • 昭電工は15日に締め切られた2次入札で特に高い価格を提示
  • 株価にプレミアム乗せ、買収額は9000億円規模になるとの報道も

日立製作所が進める上場子会社の日立化成の売却で、昭和電工が優先交渉権を得ることが決まった。事情に詳しい関係者が匿名を条件に明らかにした。

  日立化が取締役会で方針を決め、日立も同意した。関係者によると、日立化売却に向けた2次入札は15日が締め切りで、昭電工のほか、日東電工や米プライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社ベイン・キャピタルなど3-4陣営が応札した。昭電工は特に高い価格を提示したという。昭電工は株式公開買い付け(TOB)によって株式を取得する見通し。

  日立は日立化に51%を出資。インフラや情報技術(IT)の分野に経営資源を集中させるグループ再編を進めている。 

  日経新聞(電子版)は25日夜、日立化の売却を巡り昭電工に買収の優先交渉権を与えることを決めたと報じた。日立の保有分に加え、残り49%も含めた日立化の全株式を買い付けることも視野に入れるという。全株買い付けとなれば現在の株価にプレミアムを乗せ、買収額は9000億円規模になる可能性があると伝えた。

  昭電工は26日、企業価値向上を目的に日立化の株式取得を含め常にさまざまな検討をしていると発表。日立は「当社が公表したものではない。企業価値向上に向けてさまざまな検討は行っているが、本件も含め、当社として現時点で決定した事実はない」とのコメントを発表した。日立化も「企業価値向上に向け、昭和電工との提携等を含め、さまざまな検討を行っているが、現時点で決定した事実はない」とのリリースを発表した。

  昭電工は鉄スクラップを電気炉で溶かす際に必要な黒鉛電極で世界トップシェアを誇るほか、石油化学やアルミニウム事業などを手掛ける。日立化は電子部品や電子材料、リチウムイオン電池の負極材などを手掛ける。昭電工は昨年7月、ブルームバーグの取材に対し、投資余力が高まっているとして大型買収を検討したいとの意向を示していた。

  ブルームバーグ・データによると、昭電工のこれまでの過去最大の買収は2016年に独SGLグル ープから黒鉛電極事業を約156億円で買い取った案件。仮に買収額が9000億円規模となれば、日本企業が今年発表した合併・買収(M&A)案件の中でも3番目に大きい規模となる。

  昭電工のこの日の株価は一時前日比8.7%安の2818円まで下落した。終値は同6%安の2900円。一方、日立化は同17%高の4065円まで上昇し、3月11日以来の日中上昇率となった。終値は15%高の4000円。昭電工の時価総額が約4300億円であるのに対して、日立化は約8300億円と約2倍の水準。小が大をのむ買収となる見通しだ。

(6段落目以降を追加して記事を更新します)
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