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静岡銀:流動性高い社債投資も、CPMでリスク管理-運用多様化

  • 有価証券運用2兆円規模が望ましい、リスク一括管理で機動的な運用
  • CLO投資の上限は600億円、リスクと資本分配を見ながら購入へ

静岡銀行は、CPM(クレジット・ポートフォリオ・マネジメント)と呼ばれる与信リスクの総合管理を強化し、より流動性の高い社債への投資を可能な体制とした。これまでは、社債を裏付け資産とするリパッケージローンの形での投資をしていたが、今後は社債を直接買う形でのリスクテイクが可能となる。

  ストラクチャードファイナンス部と資金証券部を6月に統合し、それまで別々に管理していた信用リスクとマーケットリスクを一括管理できる組織に再編した。柴田久頭取はブルームバーグとのインタビューで、ポートフォリオ全体を把握して最適化を図れるほか、運用手段の多様化が見込めることから「次のステージとしてクレジット投資を行っていく体制は整った」と述べた。

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静岡銀行のロゴ 

  背景には長引く低金利で、貸出金による利益が得られにくい経営環境がある。静岡銀は、2014年度からの前中期経営計画で、収益源拡大を目的に四つの新たな事業領域に取り組み始めており、ストラクチャードファイナンスはそのひとつ。組織再編によるCPM展開は、開拓してきた事業が高度化を図る段階に進んだことを意味する。

  プロジェクトファイナンスやメザニン投資を含むストラクチャードファイナンスの18年度の収入は177億円と、14年度比で4倍に伸びていた

  SBI証券の鮫島豊喜アナリストは、ストラクチャードファイナンスが市場部門と一括管理できる静岡銀は、他の地方銀行では追い付けないノウハウを積んでいると評価。リスク管理だけでなく人材育成の狙いもあるだろうとの見方も示した。

  リスク管理を一括で行うことで、有価証券のより機動的な運用が可能となる。柴田頭取は9月末時点で1兆5556億円の有価証券残高について、預金残高を効率よく運用するためには2兆円規模が望ましいとしており、国内のクレジット投資を積極化することなどで運用規模の拡大も狙う。

  CPMは与信ポートフォリオのリスクとリターンを評価し、信用リスクの移転取引などを通じて健全性や収益性を高める活動。バランスシート上の資産の能動的な入れ替えを行うことで、リスク分散だけでなく株主価値向上も図れるとして大手銀を中心に取り組みが広がっている。

CLO限度額は600億円

  一方、低格付け企業への融資を束ねたローン担保証券(CLO)の残高は9月末時点で483億円だった。柴田頭取は、CLOは格付けが最上位の「AAA」格を購入しており、下期もリスクと資本配分を見ながら投資していくと述べた。ストラクチャードファイナンス分野の貸出金に占めるCLOの割合は9%で、行内では限度額を600億円に定めている。

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