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IMFが日本の19年実質成長率予想0.8%に引き下げ、対日審査で

更新日時
  • 消費増税が景気を腰折れさせないよう景気刺激策の導入を提言
  • 中長期的財政スタンスでは消費税率20%への段階的引き上げ必要

国際通貨基金(IMF)は25日、日本経済に関する審査(対日4条協議)終了後の声明で、2019年の実質国内総生産(GDP)成長率が0.8%になるとの予測を明らかにした。

  IMFは声明が職員によるもので、必ずしも理事会の見解を示すものではないとしている。IMFが10月に発表した世界経済見通しで示した日本の19年実質成長率の予測は0.9%だった。

  声明では日本経済は底堅いと評価する一方、世界経済の下振れリスクや少子高齢化など国内の構造問題を踏まえ、消費増税による財政引き締めが景気を腰折れさせないよう景気刺激策を導入するよう提言した。

  また、19年10月の消費税率引き上げによる税収増は、平準化対策により相殺され、「19年の財政スタンスはおおむね中立的になる」と評価。一方、「現在検討されている景気刺激策を考慮しなければ、20-21年の財政スタンスは緊縮的なものとなる」との見方を示し、国内成長鈍化や海外下振れのリスクに対応するため、「21年も中立的な財政スタンスをとるべきだ」と指摘した。

  IMFのゲオルギエワ専務理事は通訳を介した記者会見で、米中貿易摩擦や英国による欧州連合(EU)離脱交渉など世界経済に逆風が吹いており、世界同時減速に直面しているとしながらも、「日本経済は強靭(きょうじん)性を示しており、積極的に財政刺激策を打ち、推定通りの成長率を上げるもしくはそれを少し上回る成長を遂げることは可能」と指摘した。

  安倍晋三首相は今月、自然災害からの復旧・復興や海外下振れリスク、東京五輪後の経済動向などを見据え、国内景気を下支えする経済対策の策定を指示した。自民党の二階俊博幹事長や世耕弘成参院幹事長は10兆円規模の補正予算が必要との見解を示している。IMFは短期的に実施し得る追加的財政政策として、消費増税対策の延長などを挙げた。

  一方で、中長期的な財政スタンスについては、「高齢化に伴い社会保障費の増加を賄うためには、消費税率を2030年までに15%、50年までに20%に段階的に引き上げる必要がある」と従来の厳しい姿勢を維持した。政府の25年度の基礎的財政収支(PB)黒字化目標の信頼性を高めるために、現実性と具体性を兼ね備えた取り組みが必要だと指摘した。

  IMF専務理事は、消費税について「公平で比較的実施しやすい」と指摘。持続可能な財政を達成するためには、「徐々に消費税を引き上げることが有用」とし、他国と比較した場合に日本は「もう少し消費税収に依存できる」との見方を示した。

(5、8段落目にIMF専務理事の発言を入れて更新しました)
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