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中国の脅威に欧米は対応できていない-元USTR代表

更新日時
  • 今の中国モデルは党と国家計画、補助金、保護主義、IP窃盗を融合
  • 北京での「ブルームバーグ・ニューエコノミー・フォーラム」で発言

世界的な影響力強化を国主導で進める中国の脅威に欧米諸国は対応できていないー。中国の世界貿易機関(WTO)加盟協議に関わったバシェフスキー元米通商代表部(USTR)代表が21日、こう主張した。 

  クリントン政権2期目でUSTRを率いたバシェフスキー氏は北京での「ブルームバーグ・ニューエコノミー・フォーラム」で、「今の中国モデルは共産党と国家計画の復活、大規模な補助金、保護主義、IP(知的財産)窃盗を融合させている」と指摘。「グローバル経済とテクノロジーで覇権を握るという『中国の夢』がスローガン」だと述べた。

Bloomberg Link China Investment Conference

バシェフスキー元USTR代表

写真家:ジン・リー/ブルームバーグ

  同氏によれば、他国からIPを盗む中国のこのようなモデルへの欧米の対応は「貧弱」で、単に中国が悪いと非難するだけの米国は自国民とインフラへの投資を怠り、多国間外交で後退した。

  バシェフスキー氏は中国の習近平国家主席肝いりの巨大経済圏構想「一帯一路」を通じた「ユーラシア大陸中心部」での中国の影響力拡大という戦略的な挑戦を欧州は正しく認識することができないでいるようだとし、欧州諸国は共通のアプローチを欠いているとの見方を示した。

  戦術の変化で中国・先進国間の緊張が時折和らぐ可能性はあるが、短期的な合意では「もはや取り繕うことができない根本的な相違の解消に至ることはない」としている。

  バシェフスキー氏はトランプ政権を名指しで批判こそしなかったが、米国の保護主義を非難。中国勢による最先端テクノロジー企業買収などの問題に対する欧州勢のアプローチが割れていることや、中国の華為技術(ファーウェイ)に第5世代(5G)通信システム開発競争を許したことなどに触れた。

ニューエコノミー・フォーラムで語るバシェフスキー氏

Source: Bloomberg)

  1990年代の通商交渉でバシェフスキー氏は中国側に対し、米製品の模倣をやめ、経済の発展に向け「法の支配」に基づくアプローチを採るよう、繰り返し促した。だが、差別と重商主義は中国の発展モデルに「今やしっかりと固定されているようだ」と述べ、現在を「転換点」と結論付けた。

  WTOは全加盟国に対して貿易構造改革で協力するよう促した。ウルフWTO事務局次長は中国の李克強首相との会合後、「国際貿易システムの改革とアップデートが今、目の前の急務だ」と話した。

  ニューエコノミー・フォーラムは、ブルームバーグ・ニュースの親会社ブルームバーグ・エル・ピーの1部門であるブルームバーグ・メディア・グループが開催中。

原題:
The West Failing to Meet China Threat, Former USTR Says (1)(抜粋)

(最後から2番目の段落にWTO事務局次長の発言を追加して更新します。更新前の記事で日付を21日に訂正済みです)
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