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米国の香港人権法案に報復示唆の中国-強硬措置にはリスクも

  • 関税以外の措置、中国は報復示唆しつつも対抗措置には至らず
  • 市場にとって最大の懸念は米中貿易交渉の頓挫
Chinese President Xi Jinping stands by national flags at the Schloss Bellevue presidential residency in Berlin on March 28, 2014. 

Chinese President Xi Jinping stands by national flags at the Schloss Bellevue presidential residency in Berlin on March 28, 2014. 

Photographer: JOHANNES EISELE/AFP
Chinese President Xi Jinping stands by national flags at the Schloss Bellevue presidential residency in Berlin on March 28, 2014. 
Photographer: JOHANNES EISELE/AFP

米上院が香港の民主化要求デモを支持する法案を可決したことを受け、中国は20日、迅速で強い反応を示した。複数の政府機関が何らかの報復をちらつかせている。

  ただ、習近平政権には問題がある。米国に対し強力な措置を打ち出せば、中国に跳ね返ってくるというリスクだ。経済成長率がここ数十年で最低に落ち込む中、エスカレートする香港での暴力沈静化に手間取り、貿易を巡り米国と交渉を進める習主席にとって、それはとりわけ危険を伴う。

  トランプ大統領が昨年、米中貿易戦争の口火を切って以来、中国の対抗措置はほぼ報復関税に限定され、他に選択肢がなかったという補足説明が常に付いていた。米国は、台湾への武器売却や新疆ウイグル自治区の人権侵害を理由とした制裁、華為技術(ファーウェイ)のブラックリスト入りなど関税以外の措置も打ち出してきたが、これについて中国は報復を示唆しつつも対抗措置の実施には至っていない。

  中国国務院顧問で中国人民大学の時殷弘教授(国際関係学)は「中国が米国に与え得る打撃より、米国が中国に及ぼし得る打撃の方が大きいということは注目に値する」と語った。

  米上院が可決した香港人権法案は、貿易上の優遇措置を正当化する上で香港が中国政府から高度な自治を保っているか、米国務省に毎年判断を義務付ける。人権を抑圧した中国本土の政府関係者に科す可能性のある制裁の概略も示した。

  市場にとって最大の懸念は、詰めの段階に入っている第1段階の米中貿易交渉がこの法案によって頓挫することだ。国務院顧問で、北京のシンクタンク全球化智庫(CCG)の創設者である王輝耀氏は「香港人権法案は貿易合意の見通しに甚大な打撃を及ぼす。中国側が前向きに取り組まなくなり、交渉プロセスが停滞する」との見方を示した。

  一方、トランプ大統領もジレンマを抱える。同氏が中国との合意を現時点で望む大きな理由は、来年の大統領選で勝つために必要な接戦州の農産物を中国が大量に購入する可能性があるからで、これが実現しないとなれば、再選の見通しは怪しくなる。

原題:China Risks Hurting Itself by Hitting Back Against U.S.(抜粋)

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