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Photographer: Keith Bedford/Bloomberg

アイ・アール ジャパンの株価急伸、安倍政権の成長戦略が追い風

  • 実質株主判明調査など独自のビジネスモデルで業績伸ばす
  • 株価は年初来で3倍余りに上昇、TOPIX構成銘柄で上昇率トップ
A screen displas share prices inside the Tokyo Stock Exchange.
Photographer: Keith Bedford/Bloomberg

安倍晋三首相は7年間にわたり成長戦略の一環として上場企業のコーポレートガバナンス(企業統治)向上などに取り組んできた。そうした動きがもたらした最大の勝ち組の1つが、株式公開企業のIR・SR(投資家・株主関連)活動を支援するコンサルタント会社のアイ・アール ジャパンホールディングスだ。

  アイ・アール ジャパンは1984年設立。カストディアン(株主名簿記載の株主)の陰にしばしば隠れている真の株主を特定するため数十年かけて開発してきた手法を駆使して実質株主判明調査を行うほか、アクティビスト(物言う投資家)対策や円滑な株主総会運営について経営陣に助言を提供している。

  2015年2月の上場以来、同社の利益は急増しており、株価は11倍余りとなった。今年だけでも株価は3倍余りに値上がりし、年初来上昇率はTOPIX構成銘柄でトップだ。

  経営企画部・IR室の佐々木雄介室長は「他社では全くまねできないビジネスモデル」だとして、そういったところが評価されているのではないかと語る。

Top Performer

IR Japan's stock has biggest gain on Topix this year

Source: Tokyo Stock Exchange, Bloomberg

Note: Data as of Nov. 19

  上場企業にとって実質株主を見つけることはますます重要になっているが、簡単ではない。アイ・アール ジャパンによれば、そうした情報の30%は企業や投資家の届け出など公表された資料から入手できるが、残り70%については同社の専門知識が役立つという。

  佐々木氏は「議決権の担当者まで分かっているのもうちしかいない」と述べ、「他にはない情報」が一番の強みだと説明した。

ガバナンスの見直し

  12年の第2次安倍政権発足後、機関投資家の行動規範を示すスチュワードシップ・コードや、上場企業が守るべき原則を示したコーポレートガバナンス・コードが導入された。企業の業績にかかわらず株主がむやみに現行経営陣を支持する状況から脱却することが狙い。

  その結果の一つとして、日本企業でアクティビストの動きが活発化した。アイ・アール ジャパンのデータによると、6月の年次株主総会で株主が議案を提出する株主提案を受けた企業は54社と昨年の14社から急増し、過去最多を記録。取締役再選などの事案で経営陣の提案への反対票も増えている。

アナリストの見方

  松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストはアイ・アール ジャパンについて、安倍政権の成長戦略の「恩恵を受ける銘柄として持続的に注目されている。業績自体も非常に伸びてきている」と指摘した。

  アイ・アール ジャパンが先月発表した4-9月期決算によると、営業利益は前年同期比71%増の約15億円。純利益は同68%増だった。

  一方、いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は大幅に上昇した株価水準について、正当化されず、少なくとも一段高の余地はないとみている。事業関連の伸びは既に織り込み済みで、上昇が続くと期待するのは理にかなわないと語った。

原題:Shareholder Detective Helps Firms Fight Activists in Japan (1)(抜粋)

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