コンテンツにスキップする

物言う株主の英ファンド、TBSや帝繊維など6社に株主提案も

更新日時
  • アセット・バリュー・インベスターズが政策保有株の多さを問題視
  • 投資先企業と対話続けるが、改善なければ他の投資家と共同提案も

「物言う株主」として知られる英投資ファンドのアセット・バリュー・インベスターズ(AVI)は、東京放送(TBS)ホールディングス帝国繊維など5-6社の投資先が株主還元の拡充などに踏み切らなかった場合、来年の株主総会において株主提案を行う意向だ。他の投資家との共同提案も視野に入れている。

  AVIのジョー・バウエルンフロイント最高経営責任者(CEO)がブルームバーグの取材に答えた。AVIは現在、日本企業28社に投資している。2018年6月のTBSの株主総会では、同社が過大な政策保有株式を抱えることの説明義務を果たしていないなどとして、一部を株主に還元するよう株主提案を行ったが否決された。

  バウエルンフロイント氏は日本企業について「政策保有株式が多く、こうした大株主が経営陣に有利な議決権行使をし、すべての株主の利益のために活動していない」などと指摘。企業統治がグローバルな水準に達していないと批判した。潤沢な余剰資金を抱えていることも、自己資本利益率(ROE)を引き下げていると述べた。

Shareholders Arriver For Takata Corp. Annual Shareholders Meeting And Chairman Shigehisa Takada News Conference

「物言う株主」からの株主提案の行方に注目

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  投資先企業とは対話を続けているが、大半に問題があるという。来年3月から6月にかけて開催される定時株主総会までに改善が見られなかった場合、優先順位に従って5-6社に対して株主提案を行う意向だと述べた。

  株価が低いと判断しているTBSと帝繊維については最優先で対話を進める。バウエルンフロイント氏は両社の株価について「適正価格は今の2倍といってもいい」と言及した。

  有価証券報告書によると、TBSが保有する政策保有株式は3月末時点で計87銘柄3785億円と同社の時価総額(20日現在で3164億円)を上回っている。帝繊維が保有する不動産開発のヒューリック株式も同社時価総額の4割弱に当たる。AVIはこうした状態を問題視しており、「売却して自社株買いなどで株主還元すべきだ」と述べた。

  TBSは、「機関投資家や株主とは建設的な対話を行っている。AVIについても経営に関して、さまざまな意見を頂戴している」とファックスでコメントした。保有意義が認められないと判断した政策保有株式は売却する、などとした同社のコーポレート・ガバナンス報告書において政策保有株式についての考え方を示しているとも付け加えた。

  帝繊維の広報担当者は「防災事業を営む当社としては、ご指摘のヒュ
ーリック株式については企業価値拡大のため、長期的視点に立って活用してまいります」と述べた。

  一方、バウエルンフロイント氏は、過去のTBSへの株主提案の経験から「少数株主の提案が可決されるのは難しい」とも発言。他の機関投資家らと連携した共同提案について「可能性はある」と語った。共同提案までいかなくとも、国内運用会社など投資先の大株主に協力を働き掛けていくとした。AVIはTBS株を2%以下、帝繊維株は5%超をそれぞれ保有している。

  AVIは昨年10月、日本株に特化したファンドを新たに設定した。現在の運用資産残高(AUM)は170億円。バウエルンフロイント氏は「多くの投資家らが日本株はグローバルに割安だと感じているが、すぐに投資するよりは企業統治の改善を待ちたいと考えているようだ」と述べた。

(8段落目に帝繊維のコメントを追加します)
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE