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Photographer: Toru Hanai/Bloomberg
cojp

10月貿易収支は4カ月ぶり黒字、予想下回る-輸出は11カ月連続減

更新日時
  • 貿易収支は173億円の黒字-市場予想は2293億円の黒字
  • 輸出は前年比9.2%減、輸入14.8%減-減少幅は16年10月以来の大きさ

輸出から輸入を差し引いた日本の貿易収支は10月速報で173億円の黒字だった。黒字となるのは4カ月ぶり。市場予想は下回った。米中貿易摩擦が続く中、輸出は11カ月連続で減少した。財務省が20日発表した。 

        

キーポイント

  • 10月の貿易収支は173億円の黒字(ブルームバーグ調査の予想中央値は2293億円の黒字)-前月は1248億円の赤字
    • 輸出は前年同月比9.2%減(予想は7.5%減)の6兆5774億円と11カ月連続減少-前月5.2%減
      • 輸出数量指数は4.4%減
    • 輸入は14.8%減(予想は15.2%減)の6兆5601億円と6カ月連続減少-前月1.5%減

     

輸出は11カ月連続で前年割れ

          

エコノミストの見方

大和総研の鈴木雄大郎エコノミスト:

  • 輸入金額が大幅に減少し、結果的に貿易収支が4カ月ぶりに改善。あまりポジティブではない収支の改善
  • 輸入減少は特殊要因が重なっているので注意が必要。消費増税の反動で内需が弱かったほか、昨年9月に北海道地震と台風21号による関西空港水没で大幅に輸出が減った反動で10月に増えた影響などもある
  • 輸出もコンセンサスを下回った。世界経済減速の影響もあるが、台風で国内工場が稼働停止したので純粋に財を輸出できなかった可能性があり、何カ月か様子を見る必要がある
  • 半導体電子部品などはアジア向けや中国向けは持ち直しが見られる。ウエートの大きい一般機械や輸送機械などは逆にこれから調整を始めるため、そこが徐々に重しとなり、輸出が持ち直すのはもう少し先、その調整が一巡してからという印象
  • 米中貿易摩擦で各国が設備投資を先送りする動きは下押し圧力になっている

農林中金総合研究所の南武志主席研究員:

  • 今後数カ月は輸出の弱さが続く可能性が高い。米国への輸出が大きく下落したことが特徴的。米国経済のモメンタムが弱まっていることを示唆している
  • 半導体などには明るい兆しがあり、今日の統計をもって大きく悲観的になる必要はない。台風の影響などもあり少し割り引いてみる必要がある。輸出はどんどん悪化していくというより底を探っているような状況ではないか
  • 日本経済全体で見るとけん引力不在の状況。10-12月期は消費が増税の影響で反動減、輸出も弱いとなるとやはりマイナス成長。2四半期連続でマイナス成長が続く可能性もある
  • 今日の数字は引き続き外需が弱いこと示しており、日銀が景気への見方を変える材料にはならないだろう

詳細

  • 輸出、輸入ともに減少幅は2016年10月以来の大きさ
  • 台風19号の影響に関しては報道ベースでは輸出入ともに影響があった可能性はある-財務省担当者
    • 例としては自動車工場が停止し、部品調達や生産に影響が出たため、輸出入にも影響があったことはあり得る
  • 消費増税については個別要因として貿易統計にどう影響したかを述べるのは困難-財務省
  • 貿易統計からグローバルなITサイクルの底打ちが起こっているかどうかの関連性を述べることはできない-財務省

背景

  • 7-9月の実質国内総生産(GDP)速報値は前期から伸びが鈍化。消費増税前の駆け込み需要を受けた内需が支えとなり4四半期連続プラス成長を確保したものの、海外経済の減速で外需は四半期連続でマイナスに寄与
  • 9月の機械受注は、民間設備投資の先行指標となる船舶・電力を除く民需の受注額が市場予想に反して3カ月連続のマイナス。基調判断は「持ち直しの動きに足踏みがみられる」に引き下げられた
  • 中国の10月の貿易統計では輸出と輸入がともに前年を下回った。輸入の減少は6カ月連続。米国とは部分的な貿易合意を巡る楽観的な見方が広がり、マイナス幅は市場予想よりも小さかった
(詳細を追加し、エコノミストコメントを差し替えて更新しました)
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