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「ガンダム」創通へのTOB価格48%引き上げ提案ー米ファンド

更新日時
  • RMBキャピタルがバンダイナムコホールディングスに15日付で送付
  • 創通一般株主保護のため1株4600円以上での新たなTOB実施を提案
フランスで開催されたジャパンエキスポで展示された「機動戦士ガンダム」

フランスで開催されたジャパンエキスポで展示された「機動戦士ガンダム」

Photographer: Philippe Lopez/AFP via Getty Images
フランスで開催されたジャパンエキスポで展示された「機動戦士ガンダム」
Photographer: Philippe Lopez/AFP via Getty Images

米アクティビストファンドのRMBキャピタルは、バンダイナムコホールディングス(バンナムH)がアニメ「機動戦士ガンダム」の版権の一部を保有している創通に対して実施中の株式公開買い付け(TOB)について、一般株主の不利益を解消するため、現行価格よりも5割弱高い価格でのTOBを新たに実施することを提案した。

  ブルームバーグが入手した文書によると、RMBは15日付でバンナムH取締役会に書簡を送付した。創通の創業者株主に対しては現在のTOBを継続して1株3100円で株式を買い取る一方、一般株主に対しては少なくともこれより48%高い1株4600円以上を買い取り価格とする新たなTOBを実施するよう提案した。

  バンナムHは先月9日、アニメのガンダム事業強化のため、版権事業を共同展開する創通に対して1株3100円でTOBを実施し、完全子会社化を目指すと発表。バンナムHは現在、創通の株式22.79%を保有し、49.2%を保有する創通創業者らはTOBに応募する意向だ。バンナムHは49.2%の株式取得をTOB成立の下限に設定しており、出資比率は少なくとも3分の2超となる71.99%に高まる見通し。

少数株主の賛同も

  これに対してRMBは、会社法では3分の2超の株主の合意だけで残りの株主を締め出す手続きが認められているものの、実質的にバンナムHと創通創業者の2者の合意のみで、創通一般株主1000人超から株式を買い取るのであれば、ある程度の少数株主の賛同も得た90%以上の株式取得を実現した上で、完全子会社化を目指すことを提案した。

  3分の2以上の賛同で足りる手続きは、買収される側の企業の株式併合によって少数株主の保有株を1株未満にすることで実質無効化して買い取る手法。臨時株主総会を招集して株式併合について議決権の3分の2以上の承認を得る必要がある。一方、90%以上を保有していれば、総会を開催せずに株式売買請求手続きで100%の株式取得が可能となる違いがある。

  RMBは5%未満の創通株式を保有。同ファンドを含めた複数の株主が今回のTOBに反対の意向を示していることを確認しており、反対派の保有比率は少なくとも計10%程度になると主張する。バンナムHによる創通完全子会社化を実現すべく、創通はすでに来年1月に臨時株主総会を開催すると公表しているが、RMBはこうした動きを「TOBの本来の趣旨に反する」と批判している。

現行価格はガンダム評価低い

  実施中のTOBは25日が期限で、価格は発表前3カ月間の平均株価に約6割のプレミアムを上乗せした。このところの創通株価はTOB価格の3100円近辺で推移していたが、RMBが新たなTOBを提案したとのブルームバーグの報道後、18日の株価は一時前営業日比7.1%高の3315円まで上昇した。午前終値は同1%高の3125円。

  RMBは6日、反対を表明する発表文のなかで、TOB価格から試算したガンダムの知的財産権(IP)約400億円は不当に低く、創通株の適正価格は少なくとも1株4600円だと主張。バンナムHが創通創業者らとTOB成立後の一部事業譲渡の取引を検討していることが、均一の公開買い付け条件を求める金融商品取引法に違反する可能性があるなどと指摘していた。

  RMBの今回の提案に対してバンナムH広報担当の田上朗子氏は、文書を受け取ったことを確認しているとした上で「今回のTOBに関する当社としての考え方は、10月9日付のリリースで開示している通り」とコメントした。先月の発表文では、特別委員会や第三者の算定機関の判断などを踏まえ、創通の少数株主にとって不利益な取引ではないとの結論に至ったなどと説明している。

(バンナムHのコメントや株価動向を追加して記事を更新します)
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