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香港民主化で戦術議論が活発化、暴力激化は中国強硬派の思うつぼか

香港は今週に入り混乱の度を増している。主要道路を封鎖する抗議活動参加者に警察が催涙弾を放つ一方、自動車に放火したり橋から重い物を落としたり、大理石を投げつけたり弓矢を振りかざしたりする者もいる。

  こうした暴力の激化で、政治的な目標を達成するための最善の戦略についてデモ参加者の間で再び議論が活発化している。規制の厳しい中国本土のソーシャルメディアでも衝撃的な動画の一部が広がり、中国政府内の強硬派が立場を強めつつある。

  中国国務院香港・マカオ事務弁公室の張暁明主任は9日、行政長官を含め香港の政治職トップに就任できるのは中国に忠実な人物だけだと重ねて言明。2003年に大規模な反対デモを引き起こした「国家安全条例」をあらためて持ち出し、制定を呼びかけた。

  

  暴力行為は外出禁止令や本土の警察駐留、国家安全条例など中国政府の香港支配を強めるような措置の導入を正当化する可能性があると、中国政治に関する著作も数冊ある香港中文大学中国研究センターのウィリー・ラム非常勤教授は指摘した。

  「現在の暴力や破壊行為などは中国政府の術中にはまるリスクを冒している」と述べ、「中国の習近平国家主席は、香港の政治制度を自由化するのではなくそれとは正反対、つまり締め付けを強めるだろう」と論じた。

  民主化実現に向けとるべき戦術を巡る議論は、数年にわたり続いている。運動を支持する一部は、2014年の平和的な座り込みデモは何も達成できなかったと主張、6月に「逃亡犯条例」改正案の撤回を求めて数万人が参加した平和的な行進も林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は当初無視したと指摘する。

  林鄭長官は11日、暴力で要求に屈することはないと述べた。だが、実際はデモ参加者が立法会(議会)を包囲した後に同条例改正案を棚上げするなど、すでに数回にわたりデモ激化を受けて譲歩してきた。

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「香港を解放し、革命を」と書かれた旗を振るデモ参加者

フォトグラファー:Philip Fong / AFP via Getty Images

原題:
Worsening Hong Kong Violence Could Embolden Hawks in Xi’s China(抜粋)

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