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日銀は期待インフレ押し上げを意図か、物価連動債買い入れ増で憶測

黒田総裁

黒田総裁

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
黒田総裁
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

日本銀行は物価連動債の買い入れ額を11月から増やしている。期間が長めの利付国債を減らしているのとは逆の動きに、市場では日銀が政策運営の鍵となる期待インフレ指標を押し上げようとしているのではないか、との声がくすぶっている。

  日銀は11月の国債買い入れ計画で、月間の物価連動債の買い入れ額を従来の500億円から600億円に増やす方針を示した。買い入れを増やすのは3年半ぶりだ。財務省も物価連動債の需給改善のため10-12月買い入れ消却額を従来の400億円から600億円に引き上げている。

  物価連動債と利付債の利回り差であるブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は、市場の期待インフレ率とも呼ばれ、物価連動債の価格が利付債に対して割高となれば上昇する。黒田東彦日銀総裁が2%の物価目標を掲げて異次元緩和を始めてから6年以上が経つが、足元の10年物のBEIは0.1%程度と、2014年に付けたピーク水準の10分の1しかない。

足元では0.1%前半で推移

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の六車治美シニアマーケットエコノミストは「うがった見方をすれば、日銀には物価連動債をてこ入れしたいという気持ちがあるのかもしれない」と語る。東海東京証券の佐野一彦チーフストラテジストも「市場の期待インフレを映す鏡を変えようとしていると見られても不思議はない」と指摘する。

  期待インフレ率は当局が金融政策を決める上で重要な判断要素の一つ。日銀は物価目標に向けたモメンタム喪失の恐れが高まれば追加緩和に踏み切るとしている。10月会合では「総じてみると横ばい圏内」と評価し、追加緩和を見送る根拠とされた。

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