米国民の上位1%、超富裕層の富が中流階級の合計資産上回る寸前
Alexandre Tanzi、Michael Sasso-
過去10年間の株式保有が恩恵-相場上昇で資産がさらに膨らむ
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1%の超富裕層の資産は35.4兆ドル、中流層は36.9兆ドル-4~6月

米国の歴史的な景気拡大は上位1%の超富裕層の富を膨らませ、彼らの資産はミドル層とアッパーミドル層の人々の合計資産額を上回ろうとしている。
Wealth Floats
U.S. household wealth become more concentrated among the top tenth
Source: Federal Reserve
米国の上位1%の家計は過去10年間に株式相場上昇から大きな恩恵を受け、米連邦準備制度理事会(FRB)のデータによると、現在では米国の公開企業と民間企業の株式の半分以上をこの層が保有している。 この株式保有のおかげで、米国民の中で超富裕層が握る富の部分は増え続けている。
1%の超富裕層が持つ資産は4-6月(第2四半期)に約35兆4000億ドル(約3860兆円)となり、米国民の50パーセンタイルから90パーセンタイルを構成するミドルおよびアッパーミドル層の合計36兆9000億ドルに迫っている。
米国民、上位1%の金持ちに入るには少なくとも5600万円の年収必要
富裕層向け投資サービスのレイクビュー・キャピタル・パートナーズのチーフマーケットストラテジスト、スティーブン・コラビト氏は、低金利を背景に富裕層が株式に投資せざるを得なかった状況が株式相場全体を支え、これによってさらに豊かになった富裕層がヘッジファンドやプライベートエクイティ(PE、未公開株)に投資できるようになったと説明。「金持ちになればなるほど、さらに資産を増やす機会が増える」と語った。
上位1%の家計資産は2019年第2四半期に6500億ドル増えたが、50パーセンタイルから90パーセンタイルの米国民の資産増加は2100億ドルにとどまった。上位1%がミドルおよびアッパーミドル層を上回るのは遠くなさそうだ。
ちなみに、90-99パーセンタイルの米国民は「超富裕層」ではなく普通の富裕層だが、合計資産はこのグループが最も多く42兆6000億ドル。
Assets -- 2Q 2019
Top 1% of household assets approach that of the 50-90% group
Source: Federal Reserve
Assets -- 3Q 2006
Upper middle class households held more assets than other cohorts
Source: Federal Reserve
Aged and Wealthy
American's 55 and older hold 3 times the wealth of latter generations
Source: Federal Reserve
Note: Silent and Earlier=born before 1946, Baby Boomer=born 1946-1964, Gen X=born 1965-1980, and Millennial=born 1981-1996
原題:
One-Percenters Close to Surpassing Wealth of U.S. Middle Class(抜粋)