ボーイング737MAXの運航再開は後ずれも、監査に遅れ-関係者
Alan Levin-
ソフトウエア修正に関する書類の不備を監督当局が指摘
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認証飛行試験や運航禁止解除が数日または数週間後ずれする恐れ
墜落事故を起こした737MAXの問題修正に向けたボーイングの取り組みを監督している米欧当局は、ソフトウエア修正について同社が提出した書類に不備があると指摘した。事情に詳しい関係者1人が明らかにした。指摘を受け、ボーイングは書類への修正を施している。当局による書類の監査完了が遅れることで、737MAXの運航再開がさらにずれ込む可能性がある。
書類の不備については米連邦航空局(FAA)と欧州航空安全庁(EASA)の当局者が出席した最近の会合で取り上げられた。会合はユナイテッド・テクノロジーズ傘下の部品メーカーで、737MAXのコンピューター自動化を開発したコリンズ・アエロスペース・システムズのアイオワ州シーダーラピッズの施設で持たれた。
737MAXの2件の墜落事故では合わせて346人が死亡し、ボーイングとコリンズは同機の安全性機能への修正を行っている。ここ数カ月の試験結果を受け、ボーイングはフライトコンピューター機能について、より複雑な修正も進めている。

墜落したライオンエア機から遺体を収容する救助隊員(2018年10月29日)
Photographer: Rony Zakaria/Bloomberg
関係者によれば、FAAとEASAの要求を満たすのにかかる時間次第では、認証飛行試験や運航禁止解除の最終決定が数日または数週間後ずれする可能性がある。修正に関する最終的なシミュ―レーター試験の実施は、完全な監査結果が出ていることが要件。
ボーイングは発表文で、当局に提出した技術的な書類は「過去の提出に沿った形式」だったと説明。「当局は別の形式での情報提供を求めており、それに従って書類への修正が施されている」とした。
監査の問題についてはロイター通信が先に報じた。
原題:
Audit of Boeing’s 737 Max Fixes Could Delay FAA Ungrounding (1)(抜粋)