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ソフトバンクG投資ファンド、1兆円の赤字に-14年ぶり営業損失

  • 米ウィーワークやウーバーなど25銘柄の公正価値減少が響く
  • 7-9月期全体の営業損益も7044億円の赤字に転落、05年以来

ソフトバンクグループが運営し、人工知能(AI)など世界の先端テクノロジー企業に投資するビジョンファンドの営業損益が四半期ベースで赤字に転落した。2年前に同ファンドの収益開示が始まって以来、赤字は初めて。

  ソフトバンクGが6日に発表した決算資料によると、7-9月期(第2四半期)のビジョンファンドからの営業損益は9703億円の赤字だった。前年同期は3925億円の黒字。期末時点の投資先88銘柄のうち、米ウーバー・テクノロジーズウィーワークなど25銘柄の公正価値減少が響いた。ビジョンファンド事業の収益は2017年4-6月期から公表されている。

  第2四半期の全体の連結営業損益は7044億円の赤字だった。営業赤字への転落は05年4-6月期以来、14年ぶりだ。前年同期は7057億円の黒字。

  純損益は7002億円の赤字。同社が出資し、シェアオフィスを運営するウィーワークの株式評価損が発生したとし、今期(20年3月期)の個別決算で特別損失4977億円を計上する見込みとしている。

7-9月期業績
  • 売上高2.32兆円、市場予想2.39兆円
  • 営業損失7043.7億円
  • 純損失7001.7億円、市場予想損失2928.3億円

  東海東京調査センターの石野雅彦シニアアナリストは電話取材で、4-6月に大きな利益を上げた一方、7-9月期は前例のない損失となり、孫正義社長の「運の良さと悪さが両方出た決算だった」と話した。ビジョンファンドの投資先企業の評価損がこれ以上増えないかどうかが「投資家の最大の関心事だ」と言う。

  ソフトバンクGは10月、経営難にあるウィーワークへの総額95億ドル(約1兆円)の金融支援を決めた。50億ドルを貸し付けるほか、既存株主から最大30億ドルの株式を公開買い付け(TOB)した上で15億ドル相当を出資し、株式の保有比率を80%程度まで高める。同社はビジョンファンドなどを通じ1兆円程度を出資し、約3割を持つ筆頭株主となっていた。

  投資事業のリスクが増大したとみられたソフトバンクG株は、直近で一時1月以来となる4000円を割り込んだ。2月の自社株買い発表を材料に上昇した分を帳消しにした。ウィーワークの上場延期に加え、5月に新規上場した配車サービスのウーバーや職場向けメッセージアプリのスラック・テクノロジーズの株価も下落基調にある。

  7月に設立が発表されたビジョンファンド2号は、その後具体的な動きは明らかになっていない。総額は1号ファンドを上回る1080億ドルで、ソフトバンクGが380億ドルを出資予定。参加予定者に米アップルやマイクロソフト、みずほ銀行、大和証券グループ本社などが名を連ねた半面、1号ファンド最大の出資者であるサウジアラビアの公的ファンドは含まれていなかった。

SoftBank Group CEO Masayoshi Son Presentation After 4Q Earnings Announcement

10兆円ファンドが初の赤字に

 

(ビジョンファンドの損失計上理由などを追記します)
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