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日韓GSOMIA失効期限迫る、首脳接触も課題解決の糸口見えず

更新日時
  • 対立でも軍事情報協定は維持を、安保協力のシンボル-岩屋前防衛相
  • 日韓首脳が短時間会話、「前向きなサイン」と米国務次官補

北朝鮮が弾道ミサイル開発を続ける中、日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の失効が今月23日に迫っている。悪化を続けてきた日韓関係は安倍晋三首相と文在寅大統領が4日に短時間接触するなど修復の兆しもあるが、日本の輸出管理政策に反発して同協定破棄を決めた韓国が期限内に方針を見直すかどうかは不透明だ。

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安倍首相と文大統領 (4日、タイで)

  韓国政府は日本の対韓輸出管理厳格化への対抗措置としており、康京和外相は先月の会見で、日本が撤回を決めれば再考する用意があると述べている。ただ、日本側は同協定と輸出管理は次元の違う問題としており、韓国側の要求に応じる構えはない。

  自民党の岩屋毅前防衛相は5日のインタビューで、同協定は日米韓の安全保障協力において「シンボル的なもの」であり、失効した場合は「地域の政治環境に与える影響は決して小さくない」と指摘。他の問題で対立していても「安全保障の協力関係だけは別だ」とも述べ、「ぜひ維持してもらいたい」と語った。岩屋氏が防衛相だった8月、韓国は同協定破棄を決定した。

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岩屋前防衛相

(KAZUHIRO NOGI/AFP/Getty Images)

  韓国側が輸出管理の問題と安全保障を関連付けたことについて岩屋氏は「好ましくないやり方ではないか」とした上で、同協定を維持することで「そのほかの課題についても対話する環境が整っていく効果が期待できるのではないか」との見方を示した。

  こうした中、河野太郎防衛相は5日の会見で、同協定失効期限前の16日から開催される東南アジア諸国連合(ASEAN)の拡大国防相会議に合わせ、日韓防衛相会談を調整していることを明らかにした。

  米国のスティルウェル国務次官補は6日にソウルで康外相らと会談し、米韓同盟の強化などについて協議した。スティルウェル氏は、安倍首相と文大統領が会話したことについて「前向きなサイン」と評価した。米国はこれまで日本とのGSOMIA破棄を再考するよう韓国に促してきたが、同氏は6日の会談で協議したかどうかは明らかにしなかった。

  菅義偉官房長官は6日の会見で、米韓のやりとりについては「政府としてコメントを控える」とした上で、韓国側による同協定破棄の通告を「極めて遺憾」と強調。同協定と輸出管理厳格化を関連付ける韓国政府の主張は「受け入れられない」との方針を改めて示した。

首脳レベルで対話再開

  日韓関係を巡っては先月、安倍首相と韓国の李洛淵首相が約1年ぶりに会談したのに続き、4日にバンコクで開かれたASEANプラス3(日中韓)首脳会議に合わせて安倍首相と文大統領が約10分間会話した。

  韓国大統領府は両国間の問題は対話を通じて解決すべきだとの原則を改めて確認したと発表。文大統領も自身の韓国語ツイッターに投稿した声明で、安倍首相と対話の開始につながるような意義のある話ができたとした。 

  菅官房長官は5日の会見で、安倍首相から「わが国の原則的立場をしっかり伝達した」としたが、今後の日韓関係については「現時点で予断をもって発言することは控える」と述べるにとどめた。茂木敏充外相も会見で、「10分間の言葉を交わしたことをもって、大きな評価をするというのは難しい」と述べた。

  一方、岩屋氏は日韓両国が調整している防衛相間の公式会談を実現し、「幅広く日韓の防衛協力関係について議論してもらいたい」と語った。防衛相在任中の6月に訪問先のシンガポールで韓国の鄭景斗国防相と非公式に会ったが、当時は「公式の会談をセットする環境ではなかった」という。

  安倍首相と文大統領が接触したことを契機に「対話を継続して関係改善に向かっていくことが望ましい」と関係回復への期待感を示した。

 

(第6段落に米国務次官補のコメント、第7段落に菅官房長官のコメントを追加して更新します)
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