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FCA・プジョー合併で仏ルノーに打撃-日産との交渉力も低下か

  • ルノーとFCA統合は幻に、ライバルのプジョーは合併で競争力向上
  • ルノーは業績悪化、FCAとの統合を主導したスナール会長に試練も

フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)が合併相手として仏プジョーを選んだことでプジョーの最大のライバルで、かつてFCAとの統合を目指していた仏ルノーにとっては打撃となりそうだ。

Renault Set to Oust CEO Bollore in Break With Carlos Ghosn Era

ルノーのスナール会長

Photographer: Christophe Morin/Bloomberg

  FCAとプジョーは31日、両社の合併計画を正式に発表した。ルノーは今年5月、FCAからの提案を受けて一時同社との統合への動きを進めていたが、その後FCAが撤回。ルノーはその後もこの案への関心を示していた。

  ルノーは日産自動車株の約43%を保有する筆頭株主。一方、日産は現在、議決権はないもののルノー株15%を保有している。幻に終わったFCAとルノーの統合案が実現していれば、統合新会社での日産の持ち分は7.5%となる見通しだった。

  事情に詳しい日産関係者はルノーとFCAの統合はもう終わった話だとの認識を示し、FCAとプジョーの経営統合についても特に感慨はなく、事態を注視したいと述べた。

  ルノーの広報担当者はコメントを控えるとした。日産の広報担当者はアライアンスに関する会社としての立場に従来と変わらないと述べた。

  ルノーは17日、世界的な景気の悪化と厳格化する規制が業績を圧迫しているとして2019年通期の売上高と利益の見通しを引き下げた。FCAとの統合を主導し、今月にはティエリー・ボロレ最高経営責任者(CEO)を交代させて業績の立て直しに取り組むジャンドミニク・スナール会長の立場も厳しさを増している。

日産との統合は

  スナール氏は23日のフランスのラジオ局とのインタビューで、目下の最重要事項は日産とのアライアンスを来年までに軌道に乗せることであり、それまでにアライアンスの潜在能力を引き出せなければ、「私や私のチームは失敗したのだと考える」と述べた。

  ブルームバーグ・インテリジェンスの吉田達生シニアアナリストはFCAとの合併で同じフランスの自動車大手であるプジョーの商品力やコスト競争力が向上すれば、ルノーにとって大きなマイナスになるとみている。

  吉田氏はまた、ルノーはFCAと統合して「身の丈を大きくして日産にプレッシャーをかけようとしていた」と指摘。ルノーの日産に対する交渉力も低下し、日産との統合は遠のいているとの認識を持っているという。両社の業績が悪化する中、資本構成の議論に時間を費やしている余裕はなく、信頼関係を取り戻して業務面での成果を出すことが先決だとした。

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