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主要生保の下期運用、オープン外債が優勢ーヘッジ付きはコスト見極め

主要な生命保険会社の2019年度下期(10月-20年3月)運用計画によると、外国債券への投資では為替変動リスクを回避するヘッジ付きより、ヘッジをかけないオープン外債の配分を増やす姿勢がやや優勢となっている。為替リスクのヘッジにかかる費用の低下余地が限られるとの見方が背景。

  日本生命保険は上期に4200憶円積み増したオープン外債の残高を引き続き増やす。かんぽ生命保険は下期から運用全体のリスク許容度を高めて積み増しに転じるほか、住友生命保険も上期に数千億円増やした残高を下期も増やす。

  日本生命の円相場の下期想定レンジは1ドル=95円-115円。岡本慎一理事財務企画部長は「100円に近づくと投資妙味が出てくる」と言い、円高が進行する局面で外債の購入を増やす意向を示した。住友生命の藤村俊雄運用企画部長は想定レンジ100円-115円の「真ん中から円高の水準」を狙いたいと言い、積極的に積み増す場合にはレポ市場での運用資金調達も実施する考えだ。

ヘッジコスト低下余地限定か

  米中貿易戦争や英国の欧州連合(EU)離脱問題を受けた世界経済の減速を背景に、米欧長期債の利回りは上期に大幅に低下している。米国の利下げを受けてドル建ての為替ヘッジコストも下がっているが、一段の低下余地は限定的とみられている。かんぽ生命の浅井重明・運用企画部長らは世界経済は底割れには至らず、米国の利下げと為替ヘッジコストの低下余地は限られるとし、ヘッジ外債の大幅な採算改善は難しいと言う。

ヘッジ外債の利回り、最悪期は脱したが。。。

  円を元手に為替ヘッジをかけて米債に投資する場合のコストは、日米の短期金利差と通貨需要の違いが基となる。ドル・円ベーシススワップで見たコストは3カ月物で37ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)と過去5年間の平均程度。米政策金利にほぼ連動するドル建てと円建てのLIBOR(ロンドン銀行間取引金利)の格差は今年に入って80bp縮小している。米国の長期債券の指標の10年物国債からヘッジコストを差し引いた利回りは足元でマイナス0.7%程度だ。

明治安田はヘッジ外債増加へ

  明治安田生命保険は上期に5000億円弱積み増したヘッジ外債の残高を下期も増やす。中野康一運用企画部長は投資対象の米金利だけでなくヘッジコストも低下していると指摘。先物の円買い・ドル売りコストが「ロール(期限切れに伴う再契約)するたびに下がっていくので、妙味のある資産クラス」だとみている。

  上期にヘッジ外債を7700億円積み増した第一生命保険は下期は残高横ばいの計画だが、年度末にかけて海外景気の減速を背景に緩やかな金利低下と株安・円高を見込んでおり、米利下げでヘッジコストが下がるなどで妙味が増せば投資する方針だ。

  外債投資は日本銀行の大規模な金融緩和で国内金利の低迷が長引く中で、国内債の代替手段となっている。財務省の統計によれば、生保は今年度上期に海外の中長期債を2兆5266億円買い越した。これは前年度の同じ時期を5割超上回り、日本銀行のマイナス金利導入を受けた国内金利の低下で外債投資が膨らんだ2016年度以来の水準となっている。

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