フィアット・クライスラーとPSAが合併交渉
David Welch、Tommaso Ebhardt、Ania Nussbaum-
実現すればフォルクスワーゲンに匹敵する巨大欧州自動車メーカーに
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フィアット・クライスラーは6月にルノーとの経営統合案を撤回


フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)とフランスのグループPSAが合併の可能性を探っている。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。実現すれば独フォルクスワーゲン(VW)に匹敵する巨大な欧州自動車メーカーが誕生し、世界の自動車業界の姿を大きく変えることになる。
情報の部外秘を理由に関係者らが匿名で語ったところによれば、両社は合併に向け交渉を行っている。最近提示された案の一つでは、「プジョー」を抱えるPSAが買収する側となり、取締役会の構成で同社が優位に立つ。
欧州2位の自動車メーカーであるPSAがFCAと合併すれば、時価総額は470億ドル(約5兆1200億円)となり、ホンダとほぼ同規模の世界的な企業が誕生する。状況は流動的であり、一部の詳細について両社は一致しておらず、合意に至る保証はないという。
関係者2人によれば、PSAはフランス時間30日午後に臨時の取締役会を開く。両社はPSAのカルロス・タバレス最高経営責任者(CEO)が新会社のCEOに就任し、FCAのジョン・エルカン会長が会長に就く案を協議したと、関係者1人は語った。

ジョン・エルカン氏
Photographer: Francesca Volpi/Bloomberg
FCAとPSAは数カ月前、欧州での自動車生産で投資を分担するためのパートナーシップを模索していた。またFCAはルノーと経営統合案について協議していたが、6月にこれを撤回した経緯がある。
FCAとPSAの合併交渉については米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が先に報じ、29日の米株式市場でFCAの株価は7.6%高と2018年4月以来の大幅高となった。
フランス政府はPSAの主要株主であるため、いかなる合意にも同政府が重要な役割を果たすことになる。FCAとPSA、フランス財務省の担当者はいずれもコメントを控えている。
Bulking Up
Fiat Chrysler-PSA would leapfrog GM among global automakers
Source: Largest.org
Note: MMC is Mitsubishi Motors Corp.
原題:Fiat Chrysler, PSA Are Said to Explore a Potential Merger (1)(抜粋)